2022年10月1日土曜日
仮名と漢字
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先週、「現代語読み」をめぐって書いた。今度は、それを支える理屈をもうすこし付け加える。 古典の原文を現代語表記に置き換える、とりわけ仮名遣いを現代のそれに直す、というのは、この提言の骨子である。言ってみれば、古典表記の漢字を現代通用のものにするというやり方は、すでに広く受け入れら...
2022年9月24日土曜日
現代語読み
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古典文学研究の基本作業の一つには、読み下しがある。もともと漢文を対象に施したもので、原文の文字の順番を日本語に変え、読み方を示す。このやり方はやがて他の文体、平安の物語から中世の御伽草子などの仮名中心の文章に及び、文章の順番を弄る必要はなくなるが、漢字を加えるなど新たな需要が生れ...
2022年9月18日日曜日
鬼の姿
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鬼の噂やそれに右往左往する洛中の様子を伝えた『徒然草』第50段、一度は疫病をめぐって記した。(「 鬼のそらごと 」)一方では、この段を絵にする注釈が行われ、眺めていて同じく興味深い。 兼好の文章を絵にするという労作は、まず松永貞徳の『なぐさみ草』(慶安五年、1652)によって成さ...
2022年9月10日土曜日
明月の賞で方
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暦のうえで今日は中秋。中国や日本に遅れて十数時間、ここカナダも、大きくて明るい月に照らされる美しい夜になった。とりわけ中国は、「中秋節」といって国民休日にさえなって、SNSでは祝福の言葉が盛んに交わされている。 その昔、兼好も中秋の夜のことを記した。 八月十五日、九月十三日は、婁...
2022年9月3日土曜日
文豪5N
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雑談の中で、「一番最初に購入したパソコンとは」と聞かれ、忘れがたい思い出に繋がった。つい自慢そうにそれを長々と語った。 それは、NECの「文豪5N」だった。パソコンのことを聞かれてワープロを持ち出すのは、誤答と言われてもやむをえないが、80年代の半ばというのは、まさにそのような時...
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