2008年4月23日水曜日

絵巻三昧の二百日

二日前の二十一日をもって、この度の東京での研究生活が終わった。ほぼ一年前に購入した往復の航空券を使ってカナダへの帰路に着き、十五時間の時差をもつ二つの都市の間を十三時間ほど飛び、同じ日付の日にちの、出発する時間より二時間早い時刻にカルガリーの空港に到着した。綺麗な花々が満開する東京から離れて、自分のホームタウンは、時はずれの大雪に襲われ、午後三時にはすでにマイナス8度の気温になっていた。東京の春をあれだけ満喫してきたにもかかわらず、今年も冬を逃さなかったとのことで、なぜかほっとした。

去年の秋に東京に渡り、国際交流基金の助成を受け、滞在する立教大学の諸先生、学生たちに暖かく迎えられ、サポートされて、じつに快適な研究生活を過ごすことができた。そのような時間はあっという間に過ぎてしまい、いまとなっては思い出となった。

その中においても、このブログの経験は、なんとも楽しかった。振り返ってみれば、去年の十月初めにブログを立て上げ、ちょうど二百日に及んで、計五十九のタイトルを書いた。ほぼ周二回のペースを守り抜いたことは、どこか不思議な気さえした。

絵巻のことを思いが向くままに書いてみるということは、いつもリラックスした時間だ。ここにさまざまなテーマを触れてきた。いろいろなところで講演、講義、研究発表など交流の場を与えてもらったこと、滞在生活の中での見聞、日本でしか体験できない季節の移り変わりなど、取り上げるテーマの直接なきっかけだった。一方では、実際にブログを運営して分かったこともけっして少なくなかった。テーマの選び方や書き方に理由があるに違いないが、実際にブログに書き残されたフィードバックは、予想したよりはるかに少なかった。いくつかのブログを愛読しているだけに、自分の表現力がこんなに未熟したものだと、気づかされるものだった。

カナダに戻り、教えること、勤務先の雑務など、また違う生活の内容と日常となる。しかしながら、研究はあくまでも絵巻に絞りたい。そのために、東京滞在の研究期間限定のつもりで出発したこのブログも、しばらくは不定期で続けてみよう。これまでよりはやや間隔を持たせ、その代わりに書き方などにもうすこし工夫をしようと考えている。

この場を借りて、過去数ヶ月の間に出合い、再会し、さまざまな形でお世話になった人々に感謝を申し上げたい。

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