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2022年7月2日土曜日

大惣本デジタル公開

今週伝わってきたニュースの一つには、京都大学貴重資料デジタルアーカイブが同図書館所蔵の大惣本の一部をデジタル公開したというのがある。公開したのは417タイトル、全所蔵の3667部のわずか一割強にすぎないが、纏まりのある公開は、やはりインパクトがある。

公開の方法は、IIIFに基づき、安心してアクセスできる。一方では、中身や分量に対して、いまだ検索などの対応が十分に整っていない。デジタル制作について、「国文学研究資料館が実施する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(略称:歴史的典籍NW事業)に拠点大学として参加して実施し」た結果だと明示し、個々の書誌データも「日本古典籍総合目録データベース(国文学研究資料館作成)による」と記すが、これに対して、新日本古典籍総合データベースの方から今度公開のタイトルを検索すると、大惣本との記述があるが、画像へのリンクがまだ用意されていない。現時点では、デジタル公開されている『京都大学蔵大学蔵目録』(三冊)を頼りに、同デジタルアーカイブの検索機能で狙いのタイトルにたどり着くか、18に及ぶ「書誌一覧」の画面を順に眺めるほかはない。

思えば、「大惣本」という言葉は、たしかに「貸本屋」と同時に覚えたものだった。大学院生のころ、近世を専門とする同級生が興奮した口ぶりでこれを説明し、目録作成に参加するように熱心に誘ってくれたのだった。ただ、新しい分野の勉強を始める余裕がとてもなくて、羨ましい目で作業に取り組む姿を側から眺めていた。あれから四十年近くも時間が経った。いまは世界のどこにいても同じ書物を開くことができるようになったと、感無量だ。

2022年5月21日土曜日

Slidesはお勧め

世の中は、ZOOMが流行ってからもはや三年近くなった。これを毎日数時間も使っている人も大勢いると思う。自分はその中には入らず、そのため最近になって気づいたことも少なくない。備忘に記しておこう。

プレゼントをするには、これまでPPTを使ってきたのだが、ZOOMにはGoogle Slidesのほうが使いやすい。その理由は、おもにつぎの二点があげられる。

シャアスクリーンをもって用意した内容を映し出す。それで、使っているモニターが横長のもの、とりわけスタンダードな16:9のサイズよりはみ出す場合、PPTのスライドショーをすれば、ZOOMはそれをすべて対象とするので、見る側では両方黒の帯に挟まれた形となり、伝えたい部分は真ん中の小さな部分を占めるに止まる。これに対して、Slidesでは、SlideshowとFullscreenという二つの方法が用意され、後者を利用する場合、開けたブラウザのサイズを調整すれば、見せたい部分を有効に伝えることができる。

スライドを見せながら、どれかのインターネットサイトを開きたい時はよくある。その場合、PPTとブラウザとは違うソフトなので、切り替えをしなければならない。これに対して、Slideでサイトを開いたら、同じブラウザの新しいタブなので、ソフトを切り替える必要はなく、実際に使うとほとんどストレスを感じない。

一方では、スライドを作成するには、やはりPPTのほうがは素早くて便利だ。いまは、そのように作成したPPTをGoogle Driveにアップロードして、そこでSlideに変換する方法を使っている。よっぽど凝ったことをしなければ、期待した結果がスムーズに得られる。

2022年5月14日土曜日

動画サイト番外編

数日まえ、朗読動画『徒然草』のサイトに番外編を付け加えた。題して「四コマ漫画と現代語で読む七つの物語」。朗読動画の中から七つの章段を取り上げ、新しい試みを提示してみた。

追加内容のメインは、四コマ漫画だ。これまでGIF動画の形を借りていたが、あらためて紙媒体に用いられるスタイルを用いた。利用した画像は、同じく朗読動画に用いた『なぐさみ草』か『つれつれ艸繪抄』。これにあわせて、努めて読みやすい日本語で物語の内容を書き直し、さらに授業や独学などの場を想定して、読解の質問を用意した。最後に『徒然草』の原文、そして朗読動画へのリンクを添えた。いわば日本語学習者の上級生を対象にささやかな読解の資料を作成したものである。

昨日、ゲスト講義を頼まれ、「古典を楽しむ四つの物語」とテーマを決めて英語で一時間ほどZOOMのカメラに向かった。聴講に集まったのは、大学の春期特別コースの受講生と日本からの熱心な学生たちだった。「劇画・絵師草紙」サイトを話題に取り入れたので、質疑の一つに四コマ漫画への関心が語られ、このようなアプローチはまさにそれへの最適な答えだったと有意義に思った。

2022年4月30日土曜日

詞書集30作

今週、「絵巻詞書集」を更新した。新たに『源氏物語絵巻』(国宝)、『東征伝絵巻』など15のタイトルを加え、あわせて30作となった。「日本絵巻大成」の翻刻を主に参照し、カメラでの写真、プリンターでのスキャン、GoogleのOCRなどあれこれと補助の方法を駆使し、集中的に時間をかけて完成し、インターネットにアップロードした。

絵巻の一巻はたいてい五つから七つの段から構成される。段ごとに一つのHTMLファイルに仕立て、ファイル数はあわせて132。一段の文字は、多くの場合50行前後、極端に短いものもあれば、『東征伝絵巻』の250行、ひいては『源氏物語絵巻』の800行など突出した場合もある。読み下しを添えたので分量はその倍となり、今度の更新した分は、約4500行と数えられる。

この特設サイトは、勤務校が提供している個人サイトのスペースを利用した。きわめて基本的なものしか用意されていないため、いま風の、いろいろなレイアウトのテンプレートにアクセスできず、すべてゼロからデザインしなければならない。その中で、縦書きを実現できたことは、いささかの自慢なのだ。詞書はやはり縦書きで読むに限る。ほぼすべての閲覧環境に対応しているはずだ。頼りにしたのは、JAVAでの定義ファイル。おかげでHTMLファイルはとても単純な内容に纏めることができた。じつは今度の更新にかかわるすべての作業は、テキストエディタを使って作成したのだ。

詞書だけを対象にした電子テキストのリソースは、いまのところ確認できていない。詞書内容の閲覧、書き物をする場合の引用など、すくなくとも自分個人は便利だと感じている。はたして同じような形で利用する人がいるのだろうか。このような作業は、いくら丁寧にやっているつもりでも、単純なエラーなどは防ぎきれない。これまでの15作について、親切な指摘を数回受けて、その都度訂正した。こんどもそのような熱心な利用者が現われるようにひそかに願っている。

絵巻詞書集(30作)

2022年4月2日土曜日

電子テキスト

東京大学史料編纂所の「大日本史料総合データベース」が公開されたのはいつごろだったのだろうか。サイトには「©2011」とあるだけで、特別に記録されていない。感覚としてはそれよりもっと早い時期だったはずだ。最初にアクセスして、検索して得たデータが印刷書物の紙面と連動していたことにすっかり驚き、贅沢な作りになっている、電子テキストのあるべき姿だと感じた印象は覚えている。

そもそも古典籍に関する電子テキストは、そのほとんどが紙媒体から内容を受け継ぎ、それを根拠としている。一方では、そのようなテキストは、文字フォント、行間、段落、ページレイアウトなど、紙媒体の情報を多く切り捨てた。電子テキストは、そもそもなんのためにあるのか。あの有名な「青空文庫」は、作品をパソコンで閲覧することから出発したとたしかに制作者たちが振り返る。でも、「大日本史料」などの典籍となると、閲覧のためとはとても思えない。まず考えられるのは、ピンポイントの検索だろう。そんなところに紙媒体の情報まで同時にアクセスできるものなら、利用者としては安心して使えて、なによりも有難い。ちなみに「ジャパンナレッジ」は、収録の全集叢書などについて紙面の情報を掲載し、同じ方向の努力であり、同じ需要への対応だと言えよう。

そのような中で、国立国会図書館の「次世代デジタルライブラリー」が現われた。いまのところ、まだ正確度などにおいて問題が多く、アクセスの方法もけっして親切だとは言えない。ただ、電子テキストの生成やその規模において、まさに次世代的なものなのだ。電子テキストと紙媒体との関連においても、まったく新しい可能性が示されていると強調したい。

2022年3月19日土曜日

古典籍サーチ

古典籍の基本情報を調べるには、まず国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録DB館蔵和古書目録DB」を開く。あの『国書総目録』、それに増え続けるデジタル公開に支えられているのだから、心強い。一方では、デジタル公開についてこれがすべてをカバーしていないということをつねに自分に言い聞かせている。なにせ国会図書館のデジタルコレクションが反映されていない。そんな中、先日たまたまアクセスしたら、ちょっとした変化が起こったことに気づいた。

絵巻の模写『絵師草紙』。タイトル情報には国会図書館のデジタル画像閲覧のリンクが載せられた。それをクリックして、馴染みのビュアーが立ち上がり、国会図書館所蔵のデジタル画像が現われた。思わずほっとし、声を上げたくなるぐらいだった。しかしながら、よく見てみると、このタイトルに国会図書館が付与している「永続的識別子」とは番号が違う。どういうことなのだろうか。すぐ思いついたのは、IIIFのことだ。国会図書館は、2018年にデジタル画像がIIIF規格に対応するとアナウンスし、それぞれの図書デジタル閲覧のページに「マニュフェスト」を載せている。あるいはこの情報が利用された新たな展開なのだろうか。

一方では、さらに気になることがある。いまのところ、このデジタル公開に関する情報は、けっして十分ではない。例をあげてみると、似たタイトルの『百鬼夜行絵巻』、『弱竹物語』は、ともに国会所蔵の情報が書誌に明記されるが、デジタル公開についてのリンクがない。新日本古典籍総合データベースの更新記録を読めば、2022年3月10日付けに「国立国会図書館デジタルコレクション8,512作品」が追加されたとある。あるいはこの数がこれから増え続けることだろうか。一人のユーザーとして、謎が多くて、いまだ安心して使えるということには至っていない。


2022年3月5日土曜日

写真AI修正

AI技術応用の一つとして、古い写真に色付けをし、画質を修正ソフトは多い。そのような広告を見ると、ついクリックしてみる。だが、宣伝広告は魅力的に見えても、実際に試すとがっかりするのが普通だ。その中で、一つかなり満足できるものに出会った。

どうもどういう写真を対象にするかが肝心なようだ。顔ばかりの写真だと、機械的な修正はやりすぎで、自分の記憶との距離も大きい。一方では、大事なイベントなどになると、顔だけではなく、周りの雰囲気などが加わり、違和感が若干消される。ここでそのような一枚。すでに30数年まえのもので、いまは小さくプリントした写真しか残っていない。いくらスキャンナーなどで丁寧に読み取っても、限界がある。そこでアプリを試してみた。「Pixelup」。ほぼ想像したものに近く、この結果だと保存しておく価値がありそうだ。ただこの手のソフトにありがちなことに、とにかく有料への誘導がしつこい。出来上がったものをダウンロードするには、1分近く広告を見せられた。

ちなみに写真の日にちは1989年11月24日、場所は京大会館、博士学位授与式のあとの懇親会会場だった。笑顔で写真撮影に応じてくれたのは、京都大学第21代総長西島安則氏だった。


2022年2月26日土曜日

トップページは英語

先月終わりの「次世代ライブラリー」において、とんだ勘違いをした。国立国会図書館の「次世代デジタルライブラリー」が英語のページしか用意してくれていないと書いてしまった。さっそく友人に教えてもらい、日本語への切り替えボタンがページの下真ん中にあると分かった。ただ、あえてエントリー内容の修正をせず、SNSで訂正をコメントに入れるのみだった。

いうまでもなく気がかりだ。その後もあれこれと失敗の理由を考えた。そして、自分なりの一つの答えにたどり着いた。

ヒントを示してくれたのは、「人文学オープンデータ共同利用センター」だった。その公式サイトのアドレスは、

http://codh.rois.ac.jp/

これをその通りにブラウザに入れると、英語のトップページが飛び込んでくる。右トップに言語切り替えのボタンがあり、簡単に日本語に変えられる。そこからさらに英語に戻し、両方のページアドレスを見較べた。

http://codh.rois.ac.jp/index.html.ja
http://codh.rois.ac.jp/index.html.en

すなわち日本語、英語のそれぞれのページが用意される一方、言語指定なしでサイトに入れば、英語ページが選択される。もちろんこちらのIPアドレスなどから判断した結果なのだ。

はたして「次世代デジタルライブラリー」のアドレスは、

https://lab.ndl.go.jp/dl/

これに対して、日本語と英語のどちらに切り替えても、アドレスには反映されようになっている。どうやら同じ方針でサーバーが対応してくれているのだ。

たしかに親切だが、ちょっぴりお節介だ。こちらの読みたい言語を先走りに判断し、その上誤解までもたらすのだから、余計だと思った。英語圏以外の国々になるとどう対応するのだろうか。いずれにしても、このような作りが主流にならないように願いたい。

2022年2月19日土曜日

文字絵画像処理

週末にかけてある小さな作業に取り掛かった。『文字の知絵』に収録された文字絵を対象に画像処理し、絵に隠された文字を浮き立たせるようにした。相変わらずPhotoshopを利用し、そのプロセスにおいて覚えたことをメモしておく。

見やすいようにオリジナル画像をグレーに変更することにした。画像の色を変えることは簡単だが、それよりも今度は「マスクレイヤー」を用いた。この方法を導入した利点というのは、レイヤーそのものを複製して加工しようとする画像に取り入れることができるということだ。画像を一つずつ手入れする必要はなく、個別に調整することもない。複数の画像をまとめて作業するには最適だ。

つぎは文字の部分を取り出すことだ。これについてかつてnoteでIllustratorを用いてのやりかたを記した。(「画像処理メモ・文字」)基本的にそれに従ったが、あらためて試して、TraceからUngrouにかけての一連の作業を抜きにしても思う通りの結果が得られることが分かった。おかげでかなりのマウスクリックの回数を減らすことができた。

思えば、似たような作業が必要とする人はそもそもそんなにいない。一方では、たまにしかやらないだけに、時間が経てば意外とあっさりと忘れてしまう。それのためにでもここに書いておく意味があるかもしれない。

2022年2月5日土曜日

個人送信

先週に続き、今週にも国立国会図書館のデジタル資料利用について新しいアナウンスがあった。来る五月ごろから、デジタル化されてインターネット公開できない「絶版等資料」は、個人向けに送信するサービスが始まるとのことである。(プレスリリース

このサービスの実現は、去年に行った関連の著作権法の改正によるものだと記述されている。思えば、国会図書館の所蔵資料のデジタル化は、その最初の一歩からつねに新しい法律の制定や実施に伴い、法律ができて目覚ましいスピードでそれが実現されるという展開の連続だった。それによりかつて存在していなかったデジタル資料群が作り出され、世の中で利用できるようになったインターネットに載せて読者に届けられた。すべてわずかここ十数年来の出来ごとであり、自分もその恩恵を受ける最初の世代に入る。

個人送信のサービスは、日本国内に限定するとのことだ。じつはここ数日、1957年刊行の一点の資料にアクセスするために苦労した。「図書館送信資料」であり、海外からは入手できない。日本国内にいる人に頼むほかはなく、幸い助けの手を伸ばしてくれる友人に恵まれ、希望が叶えられた。日本国外に身をおくと、このようなもどかしい思いをさせられることが多い。それでもこのような進歩は大歓迎だ。

2022年1月29日土曜日

次世代ライブラリー

今週、SNSで盛んに交された話題の一つは、国立国会図書館が「次世代デジタルライブラリー」を公開したことだ。これまでにデジタル化された著作権フリーの書籍を対象に、全文テキスト検索や画像検索の機能を一般のユーザーに提供するものである。専門分野の研究者から一般の読者までみんな興奮してこの知らせに接している。

さっそくあれこれと試してみた。NDL Labサイトから、いまは一番目に上げられている「次世代デジタルライブラリー」を選び、「Next Digital Library」に入る。提供されているのは、キーワードと画像という二つの検索方法なのだ。

言葉による検索は、今度の公開の最大の目玉だ。対象書籍をOCRにかけて電子テキストにし、それを検索対象とするということだ。ただなによりもその分量なのだ。自分にとってのキーワード、あるいは漫然と思いつい言葉をシステムに入れ、ほぼどれもかなりの分量のヒットが戻ってくる。中にはまったく意識しなかった分野の書物も多く、つい夢中になる。個人的にとりわけ感心したのは、ヒット項目をクリックして開く書籍閲覧の画面に、「Full text of this book」が用意されたことだ。これをクリックすると、書籍全体のテキストファイルがまるごとローカルのパソコンに保存される。ページごとに一つずつのファイルになって、じっさいに使用するにはもうすこし加工が必要だが、閲覧画面とあわせて使えば、たいへん貴重なリソースが手に入ったことになる。

一方では、テキスト検索のヒット画面に、「Illustrations in this book」と、同じ書籍に含む画像を提示し、さらにテキスト検索と同列に画像検索の機能が用意されている。だが、この検索は、現時点では稼働はするが、さほど使いものにならない。試しに公開資料である『前九年絵巻物』から馬の画像を一つ切り出して検索に掛けたら、ヒット作は、数こそかなりのものが戻ってきたが、その内容は、美人から古地図、植物などに及んだ。目を凝らして探してようやく同じタイトルが混じっていると確認できたが、検索にかけた場面ではなかった。

このライブラリーは、「国会図書館の実験的なサービス」の一つであり、しかもいまのところ、すべてのページが英語のみとなっていて、日本語に切り替えるボタンが見つからない。まだまだ試運転だということが分かる。一人の利用者としては、この方針がむしろ大歓迎だ。もっと多くの驚きや喜びがきっと待っていると信じてエールを送りたい。

2022年1月15日土曜日

画像保存

デジタル公開されている古典籍の画像は、閲覧に対応するように工夫されている。それでも、じっくり、繰り返し読むには、ローカルのパソコンに保存しておきたい。ダウンロード利用の方法はいまでもさまざまで、利用者としてたえず模索を続けなければならないのが現状だ。

一例として「新古典籍総合データベース」収録のタイトルがあげられる。IIIF基準に統一していることは心強い。だが、国文学研究資料館所蔵のものなら、閲覧の画面にダウンロードのボタンが用意してあるが、これがすべてにわたるには至っていない。きっと所蔵者の意図により決められたことだろうと思われるが、簡単に保存できないものもある。一つの解決方法として、閲覧の画像を右クリックし、出てくるメニューから「名前を付けて画像を保存…」を選ぶことだ。小さい枠で閲覧していると、枠の中に出ている画像(したがって時にはページの一部分)が対象で1168x651のサイズで保存される。一方では全画面で閲覧していると、モニター解像度のサイズの画像が得られる。手元のパソコンの解像度は3440x1440、保存の画像は3440x1397という結果となる。ちなみにこれは「プリントスクリーン」によって取得する画像とほぼ同じ結果だ。

ここ数日、時間をかけて読んでいるのは、『文字の知画』。国書目録に収録されていない底本が、所蔵者作成のデジタル画像で新古典籍総合データベースにおいて公開されている。なにはともあれ所蔵者に感謝したい。

2021年12月25日土曜日

朗読動画140段

今年の1月30日、「朗読動画『徒然草』」と名乗り、その序段をYouTubeにアップロードした。(「朗読動画『徒然草』」)その後、週三作と公開を続け、去る22日に第243段をあげた。この小さな個人的なプロジェクトは、これで予定通りに完成し、あわせて140段だった。

動画に用いたのは、『なぐさみ草』(松永貞徳、慶安五年、1652)と『つれつれ艸繪抄』(苗村丈伯、元禄四年、1691)。前者は、『つれづれ草』の本格的な注釈書としてはじめて絵を導入し、数えて百五十六段に絵を加えた。後者は「絵による抄(注)」との名の通り、言葉や意味などの解釈など一切なく、本文と絵のみによって構成され、絵のある段は二百九段と数える。絵を含む本文や注釈書はこの外にも伝わるが、絵の数はこの二作に遠く及ばず、この作業の対象としなかった。

朗読対象の140段という数字には特別な意味はない。まずは絵からのアプローチなので、絵のない段は対象から外した。朗読動画という体裁からして、極端に長いもの、あるいは短いものも避けた。その結果、動画の長さは平均して1分か2分、特出に長いのは酒を題材にする175段で7分23秒、一番短いのは30秒の序段だった。なお、構図の共通するものは『なぐさみ草』を優先に用い、絵がはるかに豊かになった段は『つれつれ艸繪抄』に頼るという漠然とした基準を立てた。

この朗読動画は、去年続けたGIF動画からの延長だった。注釈絵への注目に加え、さらに文字、音声という二つの要素を取り入れた。音声は自己流の朗読、文字は声に伴って移動させるくずし字だった。この朗読と文字の部分を縦長の動画に作り、さらに注釈絵の上に載せて絵を動かすという、二つのステップに分かれた動画の作り方に気づいて、わりと簡単に作成することができた。

公開した動画にまとめてアクセスするには、特設サイトを設けた。(「朗読動画特設サイト」)公開完了にあわせて、このサイトも更新した。一方では、随時更新していた再生リストも、140作すべてを対象とした。こちらのほうは公開順であり、最初の段がリストの一番後ろにくるというものである。あるいはそれなりの価値もあるだろうと思い、そのまま残しておいた。

2021年12月11日土曜日

画像解像度

とある原稿を提出した。最後の作業として、利用する画像のサイズを確認した。いったいどれぐらいの解像度にすべきだろうか。これといったはっきりした基準があるわけではなく、編集者側だって、印刷業者からの指示しだいで対応せざるをえないというのがいまの現状ではなかろうか。

そもそもデジタル環境そのものが激しく変わっている。個人的な経験からいうと、蔵書を大事にするという感覚で、かつて貴重な資源に出会うと、可能なかぎり時間をかけてダウンロードしてハードディスクに保存した。そのような習慣はいつの間にかすっかり途切れた。それどころか、必要に応じてそれらのファイルを開いてみれば、その多くは横1000pix程度のもので、わずかに内容をモニターで眺められるぐらいで、とても印刷などに出せるものではない。対していまごろのデジタル公開は、まずは固定リンクを前面に打ち出し、簡単には変わらないというスタンスを明確にしている。画像解像度も5000pix前後が主流となり、ダウンロードして利用するためのアクセス方法を丁寧に提供してくれている。そのような画像は、普通のモニターでは表示しきれず、頻繁に閲覧するのものは、今度は逆に小さくしておいて、素早く開けるような工夫をしなければならなくなった。

MSワードで提出する原稿は、差し入れた画像を取り出すことが可能だ。ただし若干非正規な方法であり、編集側に負担をかけることとなる。煩雑を避けるため、小さな画像を原稿内に挿入し、それとは別に画像をZIPファイルにして提出した。これでワードファイルのサイズはずいぶん小さくなり、査読や編集などの作業もスムーズなはずだ。一つの合理的な対応かもしれない。

2021年11月20日土曜日

ブックス全文読み

「黄表紙活字目録」を公開してから、ツイッターなどで教わったり、それをヒントに新たに気づいたりして、タイトルをすこしずつ追加してきた。この目録は、活字出版を完全にカバーすることがとても出来そうにないが、一番の狙いは、本文をそのままインターネットで利用できる資料への案内だ。今週、その中の一点をめぐり、ひさしぶりにグーグルブックスを利用した。

タイトルは、『繪入黄表紙名作集:全』。出版は1922年なので、オンライン利用はできるはずだ。しかしながら、国会図書館のデジタルコレクションにたしかに収録されているが、「著作権の確認が済んでいない」とのことで、館内閲覧か地方図書館への送信によってはじめて読める。そのため、久しぶりにグーグルブックスに入った。タイトルは簡単に出てきて、しかも「電子書籍・無料」との表示がついている。だが、そこからは先へ進まなかった。Google Playへの誘導があり、そこに行くと、「Free eBook」とあるが、「あなたの国では利用できない」との表示が出てきてしまう。しばらくは立往生した。あれこれと試した末、ようやくアクセスの方法に気づいた。書籍情報のページで右上の歯車アイコンをクリックして、出てきたメニューから「PDFをダウンロード」を選び、全文のダウンロード保存が可能になった。書籍のリンクを次に記しておく。

グーグルブックスは、オンランリソースとしてかなりの先発組なのだ。その分、個人出版を含むさまざまな性格の資料、各国の公私にわたる図書館など異なる由来の書籍が混在し、アクセスの方法が頻繁に更新され、アクセス地によって結果も違う。それにしても、そこしかアクセスできな資料は確実に存在するので、とにかくはありがたい。

繪入黄表紙名作集:全』(平安堂書店、1922年)

2021年10月23日土曜日

Notion

簡単なメモをパソコン、スマホ、タブレットといった身の回りの数々のデバイスで取ったり、利用したりすることは、いまや基本的な作業だ。この需要のために、これまでいくつかのアプリ/サービスを利用してきた。じっくり使ってみないとすぐには答えが出てこない、というのがこの手の選択の難しいところである。大まかに並べれば、つぎのようなことが言えよう。「Google Keep」はデザインがこまめで、ちょっと落ち着かない。「Clipto」は、内容追加などになると期待通りにはレイアウトが動かない。「FiiNote」は頻繁にログインを要求し、日本語の入力には対応しきれない。中国にいる友人との交流のための「腾讯文档」は、距離相応のもたつきが感じられる。似たようなアプリなどはかなりの数が出回っているので、このリストはさらに長くなる。

そんなところで、今週使いはじめたのは、「Notion」。YouTubeなどで多数公開されている解説ビデオに惹かれて導入した。ほとんど熱心なユーザによるものだが、「第二の頭脳」などの謳い文句が踊り、単純なノート取りのアプリ/サービスではなさそうな雰囲気さえ感じ取れる。まだ数日しか経っていないが、いまのところ、使い心地は悪くない。まずはデバイス間の利用は安定している。ページの形やレイアウトのカスタマイズには自由度が高く、個々のページの分類や保存も分かりやすくて利用しやすい。一方では、データベースの構築、グループの共同作業など、サービスが主力を入れた機能は、いまのところまだ体験していない。

「Notion」という言葉は、「意向」、「意志」、そして「ばかげた考え」などの意味を持ち合わせる。これを持ってきてサービスの名前とするところには、なんとなくスケールが大きくて感じが良い。

Notion

2021年9月11日土曜日

リール動画

インスタグラムの使用は、初心者ながらいまでもあれこれと試している。日常の公開記録を基本とするが、有意義な発信も心がけている。今週、すこし時間を使ったのは、小動画。写真と違う性格を理解しようとすることもあって、インスタに提供されているリール、それにハッシュタグの付け方とあわせて模索した。

リール動画には時間制限があって、15あるいは30秒。その中で伝えるということで、伝え方と内容を工夫しなければならない。その中で試したものの一つには、これだ。(「奈良絵本『ほうみやう童子』(上)挿絵」)物語の筋を一通り書き出すメモをnoteに書いたので(「宝妙童子の話(1/3)」)、そこで触れた画像を再利用するという形になる。御伽草子の絵、とりわけその素朴で美しい構図や充実な中味を伝えたいものである。短い動画でとても表現しきれるものではないが、一つのきっかけとして関心をもってもらえればと狙っている。はたしてインスタのリールを見る人にこの思いが届けられるやら。これにもうすこし文字を入れて描かれた人物や事項を掴めやすいものにすべきかもしれないが、つぎの着想としておこう。

小動画を作成するには、それ専用のツールが多数利用できて、スマホで撮影したものをそのままスマホで編集してアップロードという流れも普通になっている。個人的には、これがお勧めだ。(「「YouCut」を使う」)

2021年8月14日土曜日

デジタル浮世絵

YouTubeでは、テレビで放送された番組もいまはあっちこっちに見かけられる。これを体系的に見てまわるにはまだ余裕がないが、ときには期せずしてよいものに出会って、すなおに嬉しい。つぎはその中の一つである。

いまふうの長いタイトル、「【最先端の技術】眼で触れる東海道五拾三次 ~浮世絵デジタルの衝撃~」、GAORA SPORTSより半年まえにアップロードされたものである。内容は、浮世絵をデジタル化する先端技術のレポートだ。20億画素など、ただ高画質を強調してもさほどインパクトがないと思われるだろうから、この正味30分の番組は、デジタル画像に対して、彫師、摺師、研究者とそれぞれ立場の違う人間に登場させた。技術のプロには技の実演を見せてもらい、研究者には内容や背景の解説を披露してもらった。そして、先端と謳うデジタル技術。単に画素数を頼りに拡大するに走るのではなく、対象の画像に違う角度から照射を加え、そこから得た複数の画像を合成して質感を得るという試みを見せてくれた。「眼で触れる」というキャッチを打ち出し、デジタル技術による新たな可能性に真剣に挑む姿勢に心を動かされた。

番組の制作者は、スポーツチャンネル。すでに公開された動画のラインナップを眺めてみても、この番組の存在はかなり浮いている。はたしてなぜなのか、毎日の放送では文化や新技術などのコーナーが設けられているのだろうか、すぐには答えが分からない。

2021年6月26日土曜日

歴史的典籍NW事業

国文学研究資料館が運営する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」のサイトをときどき開いている。日本古典の分野におけるデジタル人文学の発展を牽引するこの事業のありかたは、いまはいろいろな意味で象徴的な存在となり、遠くから眺めて、すなおに驚かされる。

これだけの規模や可能性を含んでいるサイトとして、そのデザインは、まさにユニーク。トップ位置にあるのは、「お知らせ」。それも最近の四点ほどのリストが、「すべてのお知らせ」と続く。いわば「更新記録」にあたるこのセクションは、その内容がまさに圧巻。ほぼ毎日のように膨大な分量、さまざまな所蔵機関からのデジタル化された典籍の公開が加わる。ここにいう公開とは、「日本古典籍総合目録DB」に統合される、そして近年脚光を浴びるデジタル公開のスタンダードに成長した「IIIF基準」に対応する、という二つのことを意味する。各機関から公開する典籍の点数にはかなりのふり幅があり、一点もあれば、一万二千余点と数える、今週月曜に加わった「国立国会図書館デジタルコレクション」もある。提供されたリンクをクリックすれば、資料リストの一覧となり、所蔵者、提供者へのクレジットとして読むことができる。一方では、国会図書館の場合のような、高精細公開のために撮影したものもあれば、「香川大学図書館神原文庫」のような、半世紀近くまえに白黒のフィルムで撮影したものを底本としたものもある。このようなまったく異質な画像が共存することに違和感を感じる向きもあるだろうが、古典研究に携わる者としては、ただありがたいと感じるのみだ。

古典籍のオンライン公開は、まさにデジタル人文学の第一歩にすぎない。これをどのように利用するのかは、つぎに現われてくる課題だ。同じことは、国文学研究資料館がさまざまな模索をし、仕掛けを案出している。一方では、「みんなで翻刻」といった優れた事業も展開され、「市民参加型」と提唱されている。これに習い、まさに学習者参加型、クリエーター参加型、研究者参加型などなどの新たな可能性が待ち受けていると考えられよう。わくわくだ。

2021年6月19日土曜日

ネット授業準備

古典文学をテーマとして、専修大学の学生たちのためにネット授業を一コマ担当するというのを、今年も実施する機会に恵まれた。二週間ほどあと、日本の学期が終わる直前の日程となる。ここ数日、それの準備に取り掛かった。

講義のコンテンツを用意して事前に提出するというスタイルをずっと取ってきた。授業時間の約半分、前後二つにわけて20分程度ずつの録画を作っておくというものである。残りの半分の時間は、学生とのその場の交流。コンテンツの制作は、今度もほぼつぎのような流れを守った。まずは画像中心のパワポを作り、続いてそれにあわせての講義を録音し、両方終えてからパワポを画像に保存し、それを録音にあわせて動画を仕立てる。この作業は、二年ほどまえまでMoveMakerを用いたが、いまは基本が分かってきたAdobe Premiereに切り替えた。出来上がった動画ファイルを手渡すのにかつてすこし工夫が必要だったが、いまは即YouTubeにアップロードし、リンクを伝えておくことで一連の作業が完了する。YouTubeに上がった動画を、あるいは一度ダウンロードしておいたほうが安心かもしれないが、ただいまやクラスそのものがすべてオンラインで進行し、ネット環境が理想的でなければおよそなにも始まらない。そのため動画をYouTubeから流すのも自然な展開になりそうだ。

いつもながら学生たちとの交流が個人的には以上の作業への一番の報いなのだ。日本の学生はあまり質問しないとの批判はつねにあるが、それは主催の先生の仕掛けで驚くほどクリアされ、いつも積極的な質問があった。今年も楽しみだ。