古典籍の基本情報を調べるには、まず国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録DB館蔵和古書目録DB」を開く。あの『国書総目録』、それに増え続けるデジタル公開に支えられているのだから、心強い。一方では、デジタル公開についてこれがすべてをカバーしていないということをつねに自分に言い聞かせている。なにせ国会図書館のデジタルコレクションが反映されていない。そんな中、先日たまたまアクセスしたら、ちょっとした変化が起こったことに気づいた。
絵巻の模写『絵師草紙』。タイトル情報には国会図書館のデジタル画像閲覧のリンクが載せられた。それをクリックして、馴染みのビュアーが立ち上がり、国会図書館所蔵のデジタル画像が現われた。思わずほっとし、声を上げたくなるぐらいだった。しかしながら、よく見てみると、このタイトルに国会図書館が付与している「永続的識別子」とは番号が違う。どういうことなのだろうか。すぐ思いついたのは、IIIFのことだ。国会図書館は、2018年にデジタル画像がIIIF規格に対応するとアナウンスし、それぞれの図書デジタル閲覧のページに「マニュフェスト」を載せている。あるいはこの情報が利用された新たな展開なのだろうか。一方では、さらに気になることがある。いまのところ、このデジタル公開に関する情報は、けっして十分ではない。例をあげてみると、似たタイトルの『百鬼夜行絵巻』、『弱竹物語』は、ともに国会所蔵の情報が書誌に明記されるが、デジタル公開についてのリンクがない。新日本古典籍総合データベースの更新記録を読めば、2022年3月10日付けに「国立国会図書館デジタルコレクション8,512作品」が追加されたとある。あるいはこの数がこれから増え続けることだろうか。一人のユーザーとして、謎が多くて、いまだ安心して使えるということには至っていない。
0 件のコメント:
コメントを投稿