2015年7月26日日曜日

デジタル研究

短い京都滞在のうち、土曜日はメイン行事が行われる一日だった。デジタルを共通のキーワードとする国際シンポジウムに参加し、自分も短く発表の時間をいただいた。新しいプロジェクトに向け、わずかにスタート地点に立ったばかりで、簡単な構想を述べるに止まった。だが、それよりも新鮮なテーマを扱う多数の発表を聞き、とても有意義で、大いに見識を広めることができた。

とりわけ人文学に関連して、デジタルについての研究、特定の目的にあわせた技術の開発と環境の構築には、いまだ多く語るべきものがある。一方では、そのようなデジタル技術や、すでに構築された新たなリソースを応用しての研究は、いまや確実に増え、成果をあげている。中でも、資料や活動のデジタル化、アーカイブの構築、データーベースの作成といった在来のテーマに加えて、内容が限定された特定の研究が、デジタル環境を応用してしっかりと形を成したような成果はすこしずつ現われ、今度の会議でもいくつか報告された。それぞれユニークで、目的もアプローチも明確でいて、デジタル資料の性格を有効に利用して新たなオリジナル知見が得られている。デジタル環境がなければ成し遂げられない、あるいはそもそも課題自体が生まれてこないという実例に接して、ときどき感動さえ覚えた。

発表者など若い研究者と会話して、デジタル研究は、すこしずつ世に認められるようになり、かつ明らかに求められていると実感できたと、教えてもらった。まさに時代が変わったものだ。一方では、当然ながらまだ十分には至っていない。研究活動という狭い意味で考えていても、発表から評価までのルール作り、あるいは規範の明確化の必要性が繰り返し触れられた。在来の、雑誌に印刷して発表するというあり方は、一つの参照となるだろう。あえて言えば、デジタル成果への捉え方は、技術や環境が絶えず進化し、変化するなか、未熟で未完成なものも遠慮なく公に公表することが一つの文化となっている。それ自体にはやむをえないところもあるだろうけど、意図的に完成型を意識的に作りあげ、責任をもって世に送り出すことは、ますます重要視されるようになってくることだろうと、せつに願いたい。

2015年7月19日日曜日

絵と遊ぶ

小さなプロジェクトに取り掛かっている。来週は、京都のど真ん中にあるすてきな博物館で「デジタル・ミュージアム展」が予定されていて、このプロジェクトも研究展示の一つとして登場し、予告リストの最後の最後に顔を出している。ほんのおまけのようなものだが、それでもどのような関心が寄せられ、如何なるコメントが残されるのか、興味津々だ。

今度の狙いの一つは、絵巻の絵の中に入り込み、その構成の部分々々を分解して眺めることだ。詞書に触れられたものだけ取り出すという作業を通じて、古典言葉のデジタル図解を構築しようとする。絵の中に分け入って探索することは、まじめなアプローチであると同時に、絵を自在に操(切り取)ろうとすることを意味する。その間のチャレンジはじつに数多い。その筆頭にあげられるのは、やはり著作権という言葉で捉えられるものだ。百年単位で数える古典作品であれば、使用の権利からの束縛は少ないはずだが、じっさいはとてもそうはならず、なかなか厳しいものがある。絵を公開するのは所有者本人のみ、公開されたものについては、追加(あるいは分解)的な処置を取らせない、というのは一通り現在の常識だ。このような立場は、公開された画像を安全に管理し、絵画内容が悪用されては困る、という考えから来たものだろう。そのために、自由な使用についての許可を取得することは非常に難しく、そういう制限から作業に取り掛かる勇気が出てこないまま逡巡してしまうのが、いまの現状だ。活発で多様な利用を通して古典がより現代人の生活に入り、いっそう生命力を発揮するものだと言いたい。それがつぎの発展段階の現象になるのだろう。

20150718このような見立てを面白いように伝えているには、研究とは無縁の、あくまでも「遊ぶ」ということだが、最近いささか話題になっているユニークなサイトがある。「鳥獣戯画制作キット」と名乗るもので、いたって単純で、さまざまな意味でヒントを与える。先月まで東京国立博物館で大々的に展示され、大いなる関心を集めたあの古典画像は、ここまで極端な使い方をされているものだ。サンプルとして提示されているものも、センスが良くて微笑ましい。はたしてどこまで正規の許可が得られているのか、公開されている情報からはよく分からない。このような、遊び心いっぱいのものまで、デジタル画像の公式サイトになにげなく顔を覗かせるようなことを、心待ちしたい。

ARC Week 2015

2015年7月11日土曜日

リソースリスト更新

周りは夏休みまっただ中。その中で、大学では使用しているオフィスの中のものをすべて一時移し出すというかつてない作業をさせられ、かなりの労力と時間を費やした。それも一段落したところ、ずっと気にかかっていたデジタル・リソースの更新を集中的に取り掛かった。公開されている作品名まで添えて、さらにすこし違う読まれ方ができるのではないかと期待している。

あらためて見てみれば、このリストを作ったのは、すでに六年も前だった。デジタルリソースそのものは、まさに生きもののように世の中で増殖している。対象を絵巻や奈良絵本に限定して見ても、新しく増えたり、読者に惜しまれながら消え去っていったりするものは、じつに多くあった。それらの一つひとつには、どれだけの関係者の努力や、外部には知られていない苦労や葛藤があったのか、想像に難くない。あくまでも利用者の立場からの観察からすれば、苦言あるいは提言について、つぎの二点どうしても記しておきたい。一つは、リソースのリンクアドレスレベルの調整はあまりにも多いことだ。おそらくサーバーの更新や整備などに伴う結果だろうが、ひいては々図書館の中での互いのリンクがすでにつながらないようなケースも複数見られた。このリソースリストの作業としては、一旦作られたものはきっとどこかにあるものだと狙いを付けて取り掛かり、キーワードを用いて機関内ではなくインターネット全体を対象にしてサーチする方法でなんとか対応できた。もう一つは、いくつかの機関において、文庫など特殊蔵書ごとにデジタル化し、公開を行っている。おそらく予算の取り方など機関内部の理由があるだろうが、外部一般に公開する場合、きわめて伝えづらい。

六年以上も年月が経ったが、新しく増えたリ機関数はけっして多くない。一方では、一番大きな変化と言えば、デジタル化された絵巻や奈良絵本は、公開機関のカタログに溶け込み、その一部になったことだ。そのような資料は、けっきょく図書検索の要領で対応するほかはない。そのため、リソースリストの内容としては例示に留まることしか出来ず、致し方がない。だが、絵巻などを対象にこれをデジタル資料にして公開するということは、多くの機関において、資料利用方法の模索と、蔵書内容の宣伝という側面を最初からもっていた。そこから考えれば、デジタル化する方法を確立し、絵を持たない古写本まで対象を広め、さらにそれを全体の蔵書の中に戻すということは、まさにデジタル環境の進化を端的に物語っていると言えよう。

2015年7月10日金曜日

デジタル・リソース(増訂版)

--絵巻、奈良絵本を中心に-- 大学付属図書館
東北大学 狩野文庫画像データベース(→画像分類)
✤赤穗記彩色繪;赤穗義士繪卷;石清水放生會繪卷;梅津長者物語;繪師草紙;大江山繪卷;高野大師行状圖畫;勝畫;菊池軍記繪卷;公方樣御成行列之圖;雲井の秋;後三年合戰繪詞;三十二番職人哥合繪卷;職人盡歌合;新撰三十六歌仙;相撲繪卷模本;鷹野繪;檀林皇后廿七歳命終九想之圖;追儺圖;納經行列繪卷;子日遊圖;年中行事;放屁之卷;百鬼夜行;福富草紙;身延山主日楹登;上行列繪卷;御行幸の次第;蒙古襲來繪詞;融通念佛縁起繪;融通念佛縁起繪卷筆者畫工考;驪黄物色圖;往生要集繪;儉水堂器用之策;職人盡歌合 東京大学 電子版貴重書コレクション
✤電子版「百鬼夜行図」絵巻
東京大学史料編纂所 玉ものまへ
慶応義塾大学 奈良絵本コレクション あゐそめ川;あみだの本地;雨わかみこ;安珍清姫絵巻;伊勢物語;伊勢物語小絵巻断簡;磯崎;いそさき;伊吹;うらしま;浦島太郎;絵源氏;扇合物かたり;扇の草紙;をときり;小倉山百人一首;かけきよ;かさしのひめ;花鳥風月;くはんをん本地;きわう;ぎょうしゅん;熊野權現縁起;源氏物語・存葵;源氏物語抄出;小敦盛;こふしみ;四十二乃物諍;しゆてんとうし;しゅ天童子;酒呑童子;清少納言枕草子詞;是害坊絵巻;たからくらへ;竹取物語;玉たすき;俵藤太;土くも;常盤の嫗;ときはのうは;ともなが;鳥歌合画巻;七草ひめ;はしひめ;八幡本地・蓬莱物語断簡;はもちの中将;彦火々出見尊草子;ひしやもん;ふせやの物語;文正草子;ふんせう;辨慶物語;判官都ばなし;虫物語;物くさ太郎;もんしゆ姫;やひやうゑねすみ;夕雲雀;ゆみつき;六代;六波羅地蔵物語;わかくさ
早稲田大学 古典籍総合データベース
✤(絵巻にて検索)後三年合戦絵巻物詞書;花咲爺絵巻粉本;長崎阿蘭陀屋敷絵巻;源氏流瓶花規範絵巻;げんじ今様絵巻あふひ;今様源氏絵巻 : はつのごげんおしききぬぎぬ;絵巻物五十四帖 : 葵;げんじ今様絵巻わかむらさき;今様源氏絵巻 : 忍び頼阿古木の宇良;源氏物語絵巻断簡 : 須磨;三十六歌仙絵巻;職人尽絵巻;紫式部日記絵巻;十二神将絵巻物詞書;地獄絵巻;日光山東照宮大祭行装絵巻;職人尽絵巻物. 乾,坤;明和二年宇和島藩狩猟絵巻;屁合戦絵巻;源氏五十四帖絵巻;風俗絵巻;敦盛絵巻;寳生勧進能絵巻;合戦絵巻;江戸時代風俗絵巻;平安貴族風俗絵巻;仏鬼軍絵巻;時代不同歌合絵巻 : 模本;卜養狂歌絵巻;尾張家外山御庭絵巻物;後三年絵巻;前九年合戦絵巻;関ヶ原合戦絵巻;桜田事変絵巻 : 水戸浪士奮闘之図;求賢絵巻物之訳;十二ヶ月風俗絵巻;舟山島画巻;室町物語;三十六歌仙;随身騎馬人物図;道成寺之絵;十二類絵詞;長崎港南京貿易絵図;年中行事絵抜書
筑波大学 電子化資料・貴重書コレクション(→奈良絵本)
✤住吉物語絵巻;文正草子;一尼公さうし;浦風;住吉物語;しやかの本地
立教大学 竹取物語絵巻
國學院大學 デジタルライブラリー(奈良絵本・絵巻物関係)
✤伊勢物語;磯崎;咸陽宮絵巻;木曽物語絵巻;恋塚物語屏風;呉越絵;酒呑童子絵巻;大江山酒呑童子絵貼交屏風;大織冠;竹取物語絵巻;張良絵巻;平治物語 常盤之巻;堀川夜討絵巻;ものくさ太郎;住吉物語;田村の草子;ひいな靏;百鬼夜行絵巻;舟のゐとく;平家公達草子絵巻;義経奥州落絵詞;羅生門絵巻 東洋大学 貴重書デジタルコレクション
✤をこぜ;松姫物語;化物婚礼
駒沢大学 電子貴重書庫
✤熊野の本地;是害房絵
白百合女子大学 貴重書ライブラリー
✤いづみがじやう;いさよひ;釈迦の本地;うばかわ;小おとこ;七草;さされ石;うらしま;大江山子易物語絵巻;伊吹山酒顛童子絵巻;福富草子;浦島太郎詞書;四十二物あらそ似 青山学院大学 本学デジタル資料
✤みぞち物語 明星大学 奈良絵本絵巻の世界
✤絵本平家物語;絵巻北野通夜物語;絵巻十番切;絵巻文正草子;絵本新曲;絵本徒然草;地誌一目玉鉾 都留文科大学 附属図書館(→貴重書)
✤冨士の人穴;冨士の人穴の由来;福富絵巻 中京大学 電子図書館
✤花鳥風月;大職官;築島;ひめゆり 岐阜大学 奈良絵本
✤小しきふ 京都大学 電子図書館貴重資料画像(→絵巻物・奈良絵本コレクション)
✤伊勢物語;宇津保物語;烏帽子折草子;雁の草子;妓王;國女歌舞伎絵詞;車僧ノ巻物;西行物語;しほやきぶんしやう;四十二の物あらそひ;玉藻の前;付喪神;弁慶物語;病草子;寛永行幸絵巻;年中行事絵巻;五節渕酔之屏風絵;祇王物語;菅丞相;七くさ 龍谷大学 貴重書画像データベース
✤三十六歌仙絵巻;異なものじゃ物語絵巻;狂歌絵巻;源氏物語絵巻;一休骸骨絵巻;大織冠;竹取物語;竹取物語;長恨歌;大和物語 佛教大学 デジタルコレクション
✤いはや;大江山奇譚;十二月あそひ;法然上人形状絵図;羅生門 大阪大谷大学 電子版貴重図書コレクション
✤長恨歌絵巻;俵藤太絵巻;酒天童子絵巻;大原御幸;志都香;ぶんしゃう;大職冠;鶴の草子;鉢かつき;夜うちそか;夜討曾我;百合若大臣絵巻;伏見常盤;満仲殿雙紙;十番きり;秋月;張良;いわや;七夕の草紙;布袋の栄花;住吉相生物語;さざれ石;玉藻前草子;源氏和歌絵巻;福富草紙絵巻;三十六歌仙絵巻;名所十二景絵巻;中将姫;七くさ;大はしの中将 奈良女子大学 奈良地域関連資料画像データベース
✤転害会図絵(手向山八幡所蔵電子画像);多武峰縁起絵巻ほか(多武峰談山神社所蔵電子画像集);袋中上人絵詞伝(山城郷土資料館寄託電子画像);海住山寺縁起(海住山寺所蔵電子画像);橋柱寺縁起(大智寺所蔵電子画像);蟹満寺縁起絵巻(川崎大師平間寺所蔵電子画像);日張山縁起絵巻(青蓮寺所蔵電子画像集);当麻練供養図(誕生寺所蔵電子画像);春日権現験記絵模本(奈良女子大学所蔵関連電子画像集) 奈良教育大学 奈良絵本
✤熊野の本地;烏帽子折;しぐれ 広島大学 奈良絵本室町時代物語
✤伊勢物語;すヽめの夕かほ;硯わり;住吉物語;たはら藤太;中将姫;つるのしうけん;はちかつき;花世姫;ふんせう;やしまのさうし;横笛草紙;よしのふ;頼豪阿闍梨絵巻 愛媛大学 電子図書館
✤多田満中 九州大学 貴重資料
✤(絵巻にて検索)竹取物語絵巻;うつほ物語絵巻;絵巻物語今様姿;しゆてんとうし;奈良絵本では、;文正草子;文正物語;程嬰杵臼豫譲繪詞;竹とり物語;たまも;たまも下;曽我物語;ふんせう;たなばた;いせ物がたり;中将姫
図書館、美術館

国立博物館 e国宝
✤(絵巻にて検索、38点)
東京国立博物館 カラーフィルム検索
✤(絵巻にて検索、227点) 国立国会図書館 デジタル化資料・古典籍資料
✤(絵巻にて検索、241点)/絵入り本の様ざま
国立公文書館 デジタルアーカイブ
✤桜町殿行幸図;琉球中山王両使者登城行列 サントリー美術館 コレクションデータベース(絵画→絵巻)
✤四条河原風俗図巻;鼠草子絵巻;善教房絵巻;和歌の橘図巻;扇の絵尽し絵巻;天稚彦物語絵巻;酒伝童子絵巻;吉原風俗図巻;伏見常盤絵巻;雀の小藤太絵巻;小敦盛絵巻;浄瑠璃絵巻;放屁合戦絵巻;西行物語絵巻;熊野本地絵巻;道成寺縁起絵巻;おようのあま絵巻;西行物語絵巻;隅田川名所図巻;住吉物語絵巻;藤袋草子;三十二番職人歌合絵巻;十二ヶ月景物絵巻;新蔵人絵巻;玉藻前草子絵巻 日本芸術文化振興会 文化デジタルライブラリー
✤国立能楽堂が所蔵する能楽資料の内、文献・絵画の画像データ約2,000点 京都府立図書館 貴重書データベース(分類→絵画)
✤繪卷物長谷雄卿逢羅城門鬼神之圖;土蜘蛛之草紙;百鬼夜行圖 神戸市立博物館 名品選(→中世の神戸)
✤小敦盛絵巻;源平合戦図屏風一の谷・屋島合戦図;源平合戦図屏風 屋島合戦図;一遍上人絵伝(断簡) 秋田県立図書館 オープンライブラリーPC版
✤御曹子島渡り;佐竹本三十六歌仙絵巻 諏訪市博物館 竹取物語絵巻
内藤記念くすり博物館 収蔵品デジタルアーカイブ
✤天神縁起;ささやき竹;いさよい;夜打曽我;和田酒盛;敦盛;花鳥風月   
研究機関

国文学研究資料館 新奈良絵本画像データベース
✤唐糸草紙;ささやき竹;しつか;住吉物語;火おけのそうし;文正草紙;法妙童子;狭衣;みなつる;御所まと;文正草子;保元平治物語絵;しつか(屏風);転寝草紙;貼交屏風;大黒舞;小敦盛;小男の草子;大橋の中将 国際日本文化研究センター 絵巻物データベース
✤地獄草紙絵巻;鳥羽絵巻;長谷雄草紙;寛永行幸図巻;中納言長谷雄卿図巻;百鬼夜行絵巻;化物婚礼絵巻;道成寺縁起;土蜘蛛草紙;酒天童子繪巻;化物尽絵巻;伊吹山酒呑童子絵巻;吉光百鬼ノ図;土佐光起百鬼夜行之図;滑稽百鬼夜行絵巻;田原藤太秀郷;妖怪絵巻;付喪神絵詞;道成寺縁起;武家はんじょう;福富長者物語;風俗画巻物;小町十相図;玉藻前物語絵巻;藤袋の草子;禽獣図巻
参考リンク、関連記事
文化庁 文化遺産オンライン (部分公開の情報を含む)
藤原重雄 リンク集・デジタル奈良絵本
笠羽晴夫 デジタルアーカイブ百景(2006-01~2008-11)

2015年7月4日土曜日

EMOJI

今週のニュースには、興味深い一件があった。やや突飛なことに、GMが絵文字ばかりの公式レポートを発表した。しかしながらたとえ熱心な関係者でもこれを完璧に解読することはできず、しばらく経って同じ会社はこれを普通の文字に書き換えしたものを公開した。言うまでもなくあきらかに計算された行動であり、しかも予想通りにしっかりと話題をさらった。

20150704絵文字は、絵と文字とを繋げる究極的なスポットと言えよう。情報交換のための媒体としての絵と文字の特質を考える上では、両者のうちどれがさきに来るのか、さらに言えば、言葉を記録する文字に対して、絵はそれを再現したに過ぎないと漠然思い込む人が多いのではないだろうか。現実はけっしてそうではない。車開発の分野で考えてみても、カーナビでも車載ビデオでも、かつてなかったニューテックの装備は、どれも言葉や絵をもってすこしずつ形にしていくものであって、特定の言葉がさきに存在していたはずはない。そこに絵文字が視野に入ってきた。文字の規則に従って絵を運用し、分割された独立の絵をもって文字の役目を果たせようとする、といったところだろうか。原理からにして、絵をもって文字として機能させようとすることは、ごく限られた単純な状況を除いて、まずは無理だろう。

日本発の「絵文字」は、いまやりっぱな英語の辞書に登録されるようなっている。その場合、あくまでもローマ字表記に基づくもので、「EMOJI」と記される。困ったことに英語の規則では、「E」が「イ」と発音される。現実のなかでは、あの「絵巻」のことも、「イマキ」と何回聞かされたことか。したがって「絵文字」も、英語になったとはいえ、「イモジ」として語られるものだ。

ChevyGoesEmoji
Emoji Explained