今週、「絵巻詞書集」を更新した。新たに『源氏物語絵巻』(国宝)、『東征伝絵巻』など15のタイトルを加え、あわせて30作となった。「日本絵巻大成」の翻刻を主に参照し、カメラでの写真、プリンターでのスキャン、GoogleのOCRなどあれこれと補助の方法を駆使し、集中的に時間をかけて完成し、インターネットにアップロードした。
絵巻の一巻はたいてい五つから七つの段から構成される。段ごとに一つのHTMLファイルに仕立て、ファイル数はあわせて132。一段の文字は、多くの場合50行前後、極端に短いものもあれば、『東征伝絵巻』の250行、ひいては『源氏物語絵巻』の800行など突出した場合もある。読み下しを添えたので分量はその倍となり、今度の更新した分は、約4500行と数えられる。この特設サイトは、勤務校が提供している個人サイトのスペースを利用した。きわめて基本的なものしか用意されていないため、いま風の、いろいろなレイアウトのテンプレートにアクセスできず、すべてゼロからデザインしなければならない。その中で、縦書きを実現できたことは、いささかの自慢なのだ。詞書はやはり縦書きで読むに限る。ほぼすべての閲覧環境に対応しているはずだ。頼りにしたのは、JAVAでの定義ファイル。おかげでHTMLファイルはとても単純な内容に纏めることができた。じつは今度の更新にかかわるすべての作業は、テキストエディタを使って作成したのだ。
詞書だけを対象にした電子テキストのリソースは、いまのところ確認できていない。詞書内容の閲覧、書き物をする場合の引用など、すくなくとも自分個人は便利だと感じている。はたして同じような形で利用する人がいるのだろうか。このような作業は、いくら丁寧にやっているつもりでも、単純なエラーなどは防ぎきれない。これまでの15作について、親切な指摘を数回受けて、その都度訂正した。こんどもそのような熱心な利用者が現われるようにひそかに願っている。
絵巻詞書集(30作)
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