YouTubeでは、テレビで放送された番組もいまはあっちこっちに見かけられる。これを体系的に見てまわるにはまだ余裕がないが、ときには期せずしてよいものに出会って、すなおに嬉しい。つぎはその中の一つである。
いまふうの長いタイトル、「【最先端の技術】眼で触れる東海道五拾三次 ~浮世絵デジタルの衝撃~」、GAORA SPORTSより半年まえにアップロードされたものである。内容は、浮世絵をデジタル化する先端技術のレポートだ。20億画素など、ただ高画質を強調してもさほどインパクトがないと思われるだろうから、この正味30分の番組は、デジタル画像に対して、彫師、摺師、研究者とそれぞれ立場の違う人間に登場させた。技術のプロには技の実演を見せてもらい、研究者には内容や背景の解説を披露してもらった。そして、先端と謳うデジタル技術。単に画素数を頼りに拡大するに走るのではなく、対象の画像に違う角度から照射を加え、そこから得た複数の画像を合成して質感を得るという試みを見せてくれた。「眼で触れる」というキャッチを打ち出し、デジタル技術による新たな可能性に真剣に挑む姿勢に心を動かされた。番組の制作者は、スポーツチャンネル。すでに公開された動画のラインナップを眺めてみても、この番組の存在はかなり浮いている。はたしてなぜなのか、毎日の放送では文化や新技術などのコーナーが設けられているのだろうか、すぐには答えが分からない。
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