2010年7月3日土曜日

パレード見物

100703 地元の祝日に、離れた観光地に出かけて、のんびりと時間を過ごした。午後の行事はパレード。馬の行列や派手やかなバンドはもちろんのこと、結婚式場のリムジン、山間レスキューカーや公共バスまで登場して、パレードはそのままプロモーションの役目まで担った。その中に交じって、日系人の行列があった。参加者の主体は幼稚園の園児で、ワイショの掛け声に合わせて、子供たちは御みこしを担いだ。その御みこしとは造花で作られ、いかにも子供たちのタッチで、ささやかな感動を覚えた。

夕暮れの大路を練り歩く、御みこしを囲み、しかもその中心は人為の花。この繋がりからの連想は、なぜかあの「酒呑童子」絵に走った。それも数ある伝本の中の一点で、オックスフォード大学ボドリアン図書館所蔵のものだった。このストーリがハイライトとして持ちあわせたグロテスクな要素を一切排除して、人間の死体は花、鬼の生首は根っこという、いかにも晴れやかな祝賀に似合うものに描いた珍しい伝本だった。

祝日の締めくくりは、短い花火だった。規模こそこじんまりとしたものだが、山や川に囲まれた花火は、これまたなんとも言えない風情を感じさせた。すべて終了して、百キロ以上走って戻ってきたのは、すでに日付も変わった翌日となった。

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