知人に教わるまま、オンラインで公開されたあるシンポジウムの録画に辿りついた。去年の暮れに、東京藝術大学が主催したもので、電子メディアに関わる学者やトップ責任者たちが一堂に集まって、最新の研究や見解を報告するものだった。このような講演を東京に身を置かなくても、ほぼ同時進行的にアクセスできるようになったものだと、いささかの感慨を覚えながら、見入った。
発表者の発言から習ったことはじつに多かった。国立国会図書館館長のご報告からは、まさに日本の国力の一端を窺えた気がして、電子メディアのあり方をあらためて思い返した。とりわけ、そこに「法整備」という言葉も登場した。メディアと公立機関と、二つを連結するものとして、時代の発展に対応する法律があるものだと、気づかされた。一方では、法律となれば、どうしてもあのGoogleが取った一連の行動を思い出さずにはいられない。アメリカ的な法律へのアプローチと、法律の「新制」あるいは「修正」ではなくて、「整備」という言葉に集約された日本的なアプローチが表現されて、両者を並べて眺め、じつに興味深い。
ところで、有名人の演説だという気持ちを抱えたからだろうか、ついついあの「TED」と比較してみた。もともと、学術のシンポジウムと、一般者向けのスピーチと、両者の狙いはまったく異なる。ただ、それにしてもこのような講演録画の公開が三週間以上も過ぎて、アクセス回数がわずかに「3,299」との数字には驚いた。さらに一桁上に行ってもなんの不思議もない。そこには、公開する機関が本腰を入れて取り掛かることが必要ではないかと、内心、エールを送りたくなった。
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