2018年12月21日金曜日

言葉の分からない土地へ

スペインはバルセロナ、訪ねる機会のとても少ない土地だ。そこへ観光客としてはじめて足を踏み入れた。超高速で回ったのは、教会二つと地元の人々も溢れる繁華街のみだった。温暖な冬の日差し、石造りの建物群、充実していて平穏な顔、なんとなくなじみを感じる道端の食べ物の露店、どれを取り上げてみても、素敵な印象ばかりだった。

しかしながら、言葉はとにかくまったく理解できない。バスツアーに参加したが、そのガイドさんはなんと英語話者とフランス語話者を半々で構成したグループを引き連れ、すべての説明を二つの言語で平等にしゃべりまくった。さすがに多文化、多言語のところで、人間の言語能力も普通では考えられないと、小さな文化交流の縮図を見た思いだった。ただ、正直なところ、話された英語は半分ぐらいしか伝わらなかった。こうなると、現代的なツールを持ち出したくなる。スマホなどに入っている機械翻訳だ。街角の看板にカメラを向けたり、音声入力で片言の言葉を翻訳して相手に聞かせたりした。結論から言えば、単語レベルなら九割、文章なら半分程度使える、といったところだろうか。あとは想像で補い、あるいは会話の進行の中ですこしずつ修正しながら、正答(と思われるもの)に接近するしかない。

日本語がまったく分からない人が新宿の街角に立たされたときの困惑はよく話題になる。そのような気持ちにはすこし接近できたような気がした。来る春もまた二十名からなる学生のグループを東京に連れて行くことにっている。思えば得難いイメージトレーニングになった。

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