2010年11月13日土曜日

「TED」を観る

最近、興味深いサイトに出会った。そのタイトルは「TED」。「Technology Entertainment Design」という三つの言葉の頭文字を取り、「Ideas Worth Spreading」との副題が添えられている。「広めるだけの価値がある英知」とでも訳すべきだろうか。知る人ぞ知っているサイトで、熱狂的なファンが世界中に大勢いるとすぐ気づいた。一言で言えば、英語によるスピーチを録画で見るものである。一流のスピーチのオンパレード。音声を聞き入り、丁寧に作り上げたプレゼンに目を凝らし、表現の妙に唸りをあげる。これぞ印刷された本では味わえない、ネットならではの醍醐味だ。

サイトの作りは、いたって単純だ。大人数の観客をまえにして、一人で大きな舞台に立って、三十分か一時間しゃべりまくる。それをいくつかの形で分類し、クリックしたらそのスピーチの動画が再生される。だが、それはけっして手抜きを感じさせない。その理由は、講演者のだれもが一家の言をなしている有名人だということから始まる。場合によっては、非常に訛りのある英語が操られて、聞き取りにくいものもあるが、それでもスピーチ内容で勝負していて、言葉の限界が易々と超えられてしまう。講演の内容は、放送時間からして再編集が加えられたと想像するが、しかしながら、一部有料とかのような小細工がいっさい施されていなくて、安心して観ていられる。まさにこのようなオープンな方針が広く賛同されたと見受けられ、多くのスピーチには有志による外国語訳の字幕が付けられている。

思わず聞き入ったスピーチの一つには、電子図書館を作るというものがあった。講演者は、ブルースター・ケール(Brewster Kahle)氏。人類がこれまで書き残したすべての書物を対象にするという雄大な構想には、覇気を感じて、なんとも気持ち良い。そのインパクトはなかなか忘れられない。

TED日本語TED

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