新学期がはじまったって十日ぐらいも経ち、週末をもってクラス登録が締め切られ、学生の顔ぶれも最終決定となった。今学期の担当はふたクラス。講義の内容は基本的には前の内容を繰り返すのだが、それでも二つのクラスとも前回と較べて学生数はちょうど倍となり、この事実だけでもかなりの緊張感が持たされるものである。
四年生を対象にした日本語のクラスは、作文を課題とし、今年も同じくブログに投稿するというスタイルを取る。同じブログは、六年前から開設され、それから毎年のようにその年の学生を迎え、今年は六回目に入る。数えてみれば、今年も含めて、これまでの書き手はあわせて49名。初回の授業でそれぞれにテーマを決めてもらい、週一回の文章を書かせて作文のマラソンを強いるという構成になる。それにしても、課題の文章を続けさせると、その人の個性が手に取るように伝わってくる。今年も確定となったテーマを見れば、勉強、旅行、生活習慣といったきわめて個人的な経験はもとより、スポーツ、動物や環境問題などを取り上げるものでも、その人の思いを託すものであり、普段の付き合いではとても簡単に分からない若者の世界を垣間見るものである。それから、今時の大学生は、メディアの発達に伴い、不特定多数の読者に読まれるという自己表現にはまったく抵抗はなく、発表にあたっての心構えはしっかりと出来あがっている。作文即発表という流れも、りっぱにこなし、スムーズに本作業に入った。
新学期二週目にして、とりわけ記しておきたいのは、日本からの大学生たちとの交流である。はるばる高知大学から教育現場を体験しようと訪ねてきて、クラスの生徒数よりも多くの来訪の学生たちは一斉に教室に入ってくれた。おかげでクラスは個人授業に早変わり。作文という個性の表現を内容とする語学学習には、最高の経験をもたらしてくれた。
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