農歴の暦では、12日の金曜日をもって辛丑年に入った。ここに春が始まったことを祝賀し、新年の挨拶を申し上げる。中国では、爆竹など伝統的な春節の祝いは安全などの理由からかなり前から忘れられ、その代わり、「聯歓晩会」という名のテレビ特番が年越しの代名詞となり、いまそれがさまざまなチャンネルに乗って放送され、世界のどこでも簡単に受信できるようになった。
今年は、その中で一つの踊りが話題になった。絵巻を読む目にはとても素晴らしい刺激を与えてくれている。踊りのタイトルは『唐宮夜宴』、このリンクなどから見られる。かつての唐の盛況を宮廷の踊り子たちの姿に託し、王朝の美を追い求めたものだった。その踊り子たちは、ひっそりとした美術館から現われ、やがて色とりどりの山水画の中に入り、夢のような澄み渡った宇宙ではしゃぎ、そして宮廷の上に登って舞う。絢爛を極めて、忽然と絵の中に戻っていった。まさに一巻の最上の絵巻が動き出したものだった。なかでも、今日の審美に悖る太った踊り子たちの身なり、絵だけでは想像も及ばないコミカルで微笑ましい歩き方、互いに戯れる溢れんばかりの生命力など、どれも眺めていて古代の世界に迷い込んだ思いだった。ちなみに数年まえまでは春節の舞台といえば中央テレビ局独占のようなものだったが、いまはテレビの地方局も競うようにこれに取り組んだ。この話題の踊りも河南省放送局の特番の一つである。地方の活力や魅力を感じるということも、大いに感慨深い。
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