2011年4月23日土曜日

青色とは

同じ「白蛇伝」をめぐって、さらに一題。ストーリに登場する女性は二人、侍女の立場にいるのは、小青という名前を持つ、蛇ではなくて鯉だった。青は白と対応的で、分かりやすい。ただ、青とはたしてどのような色なのだろうか。英語の翻訳は、「リトル・グリーン」。自分のイメージとなぜか大きな開きがあった。周りにはまさにこれを名前にしている友人がいて、試して本人に聞いてみたら、迷いなく「草色だ」と答えてくれた。こうも単純だと、自分の中ではかえって迷いがますます深まるばかりだ。

110423「青」は、たしかに緑だろう。日本風に言えば、「青信号」だ。一方では、ブルーもけっして的外れではない。「青空」だ。さらに言えば、青とはけっしてただのブルーではなく、「藍より青し」だから、どちらかといえば黒に近いものだろう。同じ空でも、あるいは月に照らされた澄み透った夜空を思えば、二つの青が依拠した共通点が浮かんでくるのかもしれない。そこにさらに一つ、「青ざめる」。こちらとなれば、黒とはまる反対の、むしろ灰色か白に近いものになってしまう。「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」と、青は確かに原色の一つのはずだ。だが、こうも違ってしまえば、なんとも不思議だ。

幸い日本語で記してきたこれらの多様多彩な事情は、中国語においてすべてそのまま今日の言語表現に生き続いている。一つずつあげるとすれば、「青天」、「青草」、「青出於藍」、「土青」といったところだろう。二つの言語は、ここまで共通しているということは、どれだけ面倒が少ないのか、計り知れない。一方では、深く考えずに言葉を使用できることから、そこに隠された誤解の可能性も、けっして見逃せない。

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