2015年10月3日土曜日

トレース画像

絵巻の画像を研究論文などに引用したりする時など、印刷の制限から、それにトレースの処理を加えて用いるというのは、いまだ実際に行われている。だいぶ昔のことになるが、とある研究書の後書きにおいて、それの著者が自分でトレースの画像を作成したとの告白を羨望の思いで読んだことを記憶している。デジタル技術に恵まれた今、そのような特技もアナログなものとして片付けられるようになった。

週末にかけて、遊び半分に画像のトレースをやってみようと思い立った。思いついた道筋は、二つ。一つは、Photoshopのような万能のソフトの使い方を改めて勉強し、正攻法で画像を処理することであり、もう一つは、いまやかなりの数で提供されている、ほとんどは無料の専用ソフトを辛抱強く試してゆくということである。手始めに前者から取り掛かった。あれこれとマニュアルを読んだり、動画レッスンを見たりして、最小限のことは一通り出来るようになっ20151003た。思ったほど苦労がなかったので、後者の専用ソフトも覗いてみた。やはり漫画文化には人気があるからだろうか、日本かアジア発のソフトが多い。こちらのほうは、さらに意外なことにさっそく十分に満足できるものに出会った。アップルタブレット用の「Photo Sketch」というものだ。とにかく出来栄えがよくて、作業が分かりやすく、しかもかなり均一するスタイルをもつトレース画像を作成することが出来る。おまけに黄色い色の初期設定や、鉛筆風の陰影は、格調あるニュアンスを付け加えてくれるのが嬉しい。

自由に古典画像のトレースを作成する方法を手に入れて、さてなににこれを生かすべきだろうか。なぜかわくわくしてきた。

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