2019年8月17日土曜日

観光メモ

短い休暇から帰宅した。旅の後半は、ケベック市で過ごした。町の歴史は、じつに江戸が作り始められたころの十七世紀の初頭にまで遡る。重厚な文化の蓄積にはさすがなものを感じた。

観光の町としての評判は高い。素晴らしい風景などへの期待は大いに満たされたが、それよりも実際に歩いてみて、観光資源作りという、いわばソフト面の整備には感心させられた。おもな観光スポットでは大道芸人たちの姿が絶えない。観察してみれば、それぞれきっちり45分の順番で交代し、出演者のリストを明記したところまであった。一方では、大掛かりな行事もあっちこっち行われている。サーカスのショーには千人以上の観客が集まり、駆けつけてみれば、二時間まえからすでに席取りが始まっていた。夜のコンサートはりっぱなステージを構え、名前の通った芸術家が続々と登場し、周辺道路を歩行者天国に早変わりした。しかもどちらも完全に無料である。観光の町を作り上げるために、官民一体になって力を合わせていることをひしひしと感じ取れた。

モントリオールからの移動は、鉄道を利用した。席はゆったりして、無線通信なども提供されている。ただ、2時間に一本しか運転せず、250キロの距離を走るのに四時間近くもかかった。思えば大学生だったころ利用していた鉄道とまったく同じスピードだった。中国のそれは、しかしもうすでに四十年もまえのことだった。

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