さる水曜日、東北大学佐藤勢紀子先生主催のこのプロジェクト関連の研究会に参加させていただいた。詳しいことは、主催者からの公式な紹介にお任せすることにして、個人的に感じたことを二、三ここにメモしておく。
古文の勉強は、母国語話者の人にとっても、また日本語を学習する人々にとっても重要なテーマである。ただその大事さに比べて、基本的な現況報告、事例分析、教育法からの検討などに対して、関心が未だ十分に寄せられてない。そのような中、日本の研究者が中心になり、世界からの様々な事例が交流され、議論されることがとても有意義で、個人としても大変勉強になった。最初の研究会において、三つの発表やその後の質疑応答、参加者の自己紹介などからも様々な様子が浮かび上がった。とりわけ印象に残ったのは、古文教育がそれぞれの機関においで異なる位置を占めていることだ。学習者の構成を見ても、極めて専門的な分野の研究に志す者もいれば、日本語日本文化の勉強の一環としてこれに取り掛かるいわゆる語学の中級者や上級者もいて、状況が様々だ。その中で教育目標の設定、学習達成への対応などに自ずと違いが出てくる。教育者としてもそれぞれの立場からはっきりした方針を打ち立ててとりかからなければならない。研究会はあたりまえのようにオンラインで行われた。そして実際の教育事例の報告は、目下のコロナ対策をめぐる実情に話が集中した。いまならではの展開である。一方では、半分に近い参加者は世界各国から集まっている。オンラインの利用がなければ、ちょっと考えられない展開だ。デジタル環境の恩恵は明らかな形で現れていることは忘れてはならない。
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