江戸時代に刊行した『徒然草』注釈書に収めた絵をGIF動画に仕立て、それを週二作公開するというちいさなプロジェクトは、今週をもって完了した。あわせて116作、FBにて「注釈絵で読む「徒然草」」という特設サイト、ツイッターにて「#注釈絵で読む徒然草」タグというのを公開の場とした。数えて58週、中断なしに続けてきて、いささかほっとした。
一口に『徒然草』の絵注釈と言っても、デジタル公開だけでも十に近い底本がある。そこで、『なくさみ草』と『つれつれ艸繪抄』(ともに国文学研究資料館蔵、日本古典籍データセット収録)という代表的なもののみを対象に絞った。すこしでも現代の感覚に近づけようと、注釈絵を四コマ漫画に見立て、パソコン画面にあわせて動画に直した。実際に費やした作業は、原文を取り出し、現代語に訳し、それにあわせて画像を確認するという内容だった。中でも、原文の取り出しに一番苦労した。限られた空間を有効に利用し、かつ中世随筆の妙を伝えようと、緊張の続きだった。はたして最善の結果に辿れたのかどうか、まったく自信がない。いずれにしても、『徒然草』の原文を味わい、絵を見つめるということは、なによりも楽しい経験だった。すこしずつ修正を加えながらも、予定していた計画は一通り終了した。ただ、『徒然草』に魅せられるという気持ちは、むしろ深まるばかりだった。この探索をもっと続けたい。ということで、もうすこし違うテンプレートを思い描いた。近いうちにそれを形にしたいと考えている。またここでお知らせする。
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