日本歴史の授業では、いつも城をテーマの一つにしている。しかしながら、正直に言うと、観光や映画などから得た知識以外、この奥深い世界への認識はいたって限られている。学生たちには、教科書など以上の、なにか有意義な手がかりを提供できないものかと、いつも苦慮している。
半年ほど前のことだ。手頃な模型でもあればとあれこれクリックしてみたら、プラモデルのことが目に入った。一枚の状態になっているさまざまなパーツを切り出して組み立てるものである。なんとカナダのアマゾンサイトでも販売されていて、値段もほぼ定価通りだ。とにかく購入した。郵送にはかなりの時間がかかったが、ともかく無事に届いた。箱を開けてみれば、とても簡単に組立てるものではなかった。作ったものを教室に持ち込むとの目論見を止め、代わりに現品を講壇に置くことにした。百人もいる学生なら、なんらかの反応があるだろうと睨んだ。案の定、普段まったく発言などしない学生の一人は、さっと寄ってきて、この手のものはなれているのだから、作るよと志願してきた。願ってもないことだった。数日のあと、じつに上手に制作された製品が教室に戻ってきた。若いものたちには、いろいろな才能が隠されたものだと、つくづく感じる一時だった。
模型はいまでも研究室においてある。いまはやりの3Dスキャン、3D印刷などを駆使したら、物理的な小物を学生たちに届けられるのではないかと、想像をしている。いまだ目的にたどり着いていない。(購入したのは、「日本の名城プラモデル・姫路城」である。)
2019年3月16日土曜日
プラモデル
Labels: つれづれの日々
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