年に一度のJSAC(カナダ日本研究学会)は、オンライン開催で今日と明日の二日の日程で行われている。初日は予定通りに終わり、あわせて12本の発表と、太神楽実演、リモートレセプションと、ぎっしりしたスケジュールとなった。プログラムのハイライトについて、noteで簡単に報告しておいた。(JSAC2020年年次集会)
勉強になった内容は多くあった。「役員報酬」ではカルロス・ゴーン事件、「公共政策」では中央と地方、「満州国」では防疫と人体実験、「日本2020」では失ったオリンピックや地方の祭り、「地震」では日本の東北とカナダのバンクーバー、などなど、発表のテーマからはちょっと予想もしなかった方向へ話が広がり、聞いていてあれこれと新しい知見に惹かれた。個人的にとりわけ考えさせられたのは、「バーチャル研究旅行」。学生たちを日本に連れて行くことをこれまでの仕事のハイライトだとずっと捉えてきた自分としては、バーチャル日本旅行とは、想像もできない存在だ。ただ、現実問題として、これまでのような旅行はいつになったら可能になるのか、見当も付かない。となれば、バーチャル旅行は自然に選択に上がってくる。考えてみれば、語学のクラスがとりわけその通りだが、すべての勉強はバーチャル的なのだ。人為的に作り上げた限定的な環境において、目標とする言葉をすこしずつ伝え、覚えさせていくものだ。そのような文脈の中で、旅行だってバーチャル的体験させることは、一切体験できないより、積極的な要素が大いにあるのだろう。このような割り切った考えは、あるいは必要になってくるのかもしれない。明日には、わたしも一つの発表を予定している。『徒然草』の絵注釈を取り上げる。日本の知識人の随筆、そしてそれへのビジュアル的なアプローチにすこしでも関心を呼び起こすことができればと、丁寧に話を展開したいと思う。
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