いま暮らしをしているここカルガリーという百万人の都市は、いよいよ市政の定期選挙を迎えようとしている。市長をはじめ、市議会議員、そして教育局長など二十以上のポストをめぐり、政治家、あるいはそれを目指そうとする人々にとっては、まさに一大事だ。市長候補だけでも数えて27人、名前も覚えきれない。
一般市民の目から見ても、この一か月ほどはずいぶんと熱度があがってきた。道端や住宅区内には看板が多数立てられた。そのサイズはさまざま、大きいものには写真、小さいものには名前のみ、手作りに近いものさえある。家にいても、電話はたえず鳴らされ、インターホンも何回となく押された。応対に出たら、敷地の芝生に看板を立ててもいいかと尋ねられる。熱心なサポーターたちだ。自分の妻のために回っているとまっさきに名乗る男性もいた。平均的には女性が正装し、男性が普段着のままという印象だ。一度は、「あなたの隣の家族と会話している」などと開口一番に言われ、なんのことかと思ったら、「候補の本人だ」と紹介される別の男が走ってきた。その人に視線を向けたら、最初の男と比べて輪をかけたようなラフな恰好だった選挙の投票は、いつも月曜日。こんどもいまから十日あとの18日だ。もうすこし関連の規定などを調べて、今年はきちんと投票所に行こうと考えている。
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