2019年12月7日土曜日

OSEPPA

週末になって、30年近く前からの学生から、ちょっと意外なメールが入った。南北朝時代の日本刀の「OSEPPA」が手に入り、それには文字が書いてあるから読み取ってほしい、とのことだった。知っている語彙の中にわずかに鍔(鐔)はあるが、切羽、大切羽となると、辞書を見て初めて漢字を確認できたぐらいだ。まったくの門外漢と言わざるをえない。でも興味が確かにあるから、見せてもらうことにした。

かなり精細な写真が早速送られてきた。文字を読み取るという作業には、まちがいなく実物以上に読みやすい。なにはともあれ、文字の形を頼りに推測半分に、無理やり読んでみた。「けんのあるかねこゑ」とでも読めるかもしれない。言うまでもなく根拠も、自信もない。気が遠くなるような蓄積のある分野、おまけにゲームやアイドルたちを伴う今時の刀剣ブーム、さまざまな立場から豊富な知識が語られている。関連の辞書や解説書などにひとまず目を通しなくちゃならないのだが、 そういう最小限のことさえとても叶えられない。とても自慢にはなれない話だ。

それにしても、写真は文字の二つを示している。じつに力強いものだ。筆を持っていてもとてもここまで簡単に書けるものではない。文字の生成流転を考える上でもとても心に残る作品だ。これに出会っただけでも記憶にしておきたい。

0 件のコメント: