ようやく春になった。庭に座って読書すれば、芝生の手入れをしてあげようかと、近所の若者が大げさな専用機械を押しながらやってくる。もちろん有料だ。じっくり見れば、周りは一日々々と変わっている。つい手を伸ばしてカメラを取り出した。
思えば写真は、かなりの枚数を撮り続けてきた。デジタルを使ってからもたしかすでに14年もの時間が過ぎた。デジタル以前はアルバム、デジタル以後はDVDや専用のハードディスク、整理するだけでどれだけの時間を使ってしまったのか。しかしながら、それでも趣味だと名乗れるぐらい自信を待たない。機能を覚えていても、使うべき時に思い出せないというレベルとんちんかんな失敗をいまでもしでかす。写真をきれいに、はっきりと撮る、構図を端正に構える、楽しい瞬間があればシャッターを切る、という程度のことしか出来ず、実感としてはいくら苦労していてもどうしても見えない殻を破ることができない。
写真構図の真髄の一つには「マイナス思考」だとどこかで聞いた。絵を描くなら、内容を一点ずつ加えていく。したがってなにを描くかとの構想で勝負にかかる。一方では、写真となれば、シャッターを押したらレンズの向こう側のものがすべて一遍に入ってしまう。そのために、一枚の写真には、なにを入れないか、写らないように配慮したり工夫したりするかによって、腕前に差がつく。とりあえずこれを自分への一つのタスクとしよう。
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