2016年1月24日日曜日

生活百景

小さなプロジェクトを一通り完成し、数日まえから勤務校の個人サイトで公開した。主に絵巻など古典画像から、分かりやすい日常生活の風景をちょうど百の場面を選び、ほぼランダムに配列してまとめた。名づけて「古典画像にみる生活百景」。

選んだ内容は、その大半において、絵巻などに特有の本筋の物語と関係ない余白的な場面である。そのため、物語の紹介は最初から無用とし、場面自体も分かりきったものなので、思いつきのささやかなツッコミをメモとして添えた程度だ。画像ソースは、すべてインターネットで公開されている高精細で利用できるものに限る。日進月歩に進化する環境への敬意と、それに見合う利用の可能性を模索しようとするのが狙いの一つである。これに関連して、模写本への注目をとりわけ強調したい。画像提示の方法は、クローズアップしたものを同じスタイルでトレースした。統一したイラスト風の画像は、古典画像同士の同質性を強調し、いわばビジュアルインデックスの役割を成して、オリジナルものに視線を向けるように仕向けようとするものである。

新しい試みであるため、問題は少なくない。それぞれの場面は、意味内容が明瞭であっても、それを特定する言葉の選びとなれば、あまりにも幅があって、どれか一つにしようとすれば、任意な操作が自然と入ってくる。そもそも画像インデックスがもともとの狙いなので、一旦言葉を通過しなければならないものなのか、そうでなければほかにどのようなものが考えられるのか、技術の可能性も含めて、これからもっと模索すべきものである。いずれにせよ、古典画像をもっと身近なものするための一つのステップとしたい。教育の場などで利用されるよう、願っている。

0 件のコメント: