2021年7月3日土曜日

ネット授業2021

二週間ほどまえに触れた予定のネット授業は、今週無事に終わった。いまやさまざまな行事がリモートで行われ、それには遠いはずの大学授業もオンライン提供がすっかり定番となった。教室に機材を持ち込むための苦労や、カメラ写しを配慮したライトの設置などの見逃しがちな気配りはZOOMのようなソフト一つで置き換えられ、多くの学生が携帯でそれにアクセスするなど、ネット授業は、その運営においてすっかり気軽なものとなった。

いつもながらこちらから提供する内容よりも、聴講する学生たちの受け止め方やその反応は頼もしい。今度のそれは、文字と画像、古典とデジタルという二つのテーマにきれいに収斂された。クラスでの質問応答も、授業のあとの感想文も、これにまつわるものが圧倒的に多かった。前者については、文字ばかりと認識していた古典には、絵もあるんだ、絵の表現がここまで慎重で自由自在、読み応えがあって魅力的だと繰り返し寄せられた。そしてそのような絵をもっと読みたいと続いた。後者については、古典を古典として片付け、見過ごすのではなく、現代の生活に生かしたいと纏めてくれた上で、こちらから提示する動画や朗読などのアプローチに共感するとともに、さっそく自分も動画を作りたい、講義を聞きながらすでに手もとでイラストを描いていると、さすがにデジタルネイティブ世代だけあって、なんとも心強い。

記録を調べれてみれば、このネット授業の最初回は2001年の秋、ここにもそれを記した。(「スカイプ授業」)あれから十年も経ったが、ほぼ毎年のように続けてきた。遠い日本への一つの窓口として、講義する本人が一番収穫が多かった。心から感謝したい。

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