京都に来ている。数泊しかない短い滞在で、ほとんど通り過ぎの日程だが、運良く「ARC Days 2016」の開催に間に合い、押しかけて参加し、充実した発表の数々を聴講してきた。
二日にわたる今度の集まりは、今年度に採用された新たなプロジェクトの構想報告がその主な内容である。語られたテーマは、じつに多種多様で、聞く人をわくわくさせて、刺激の多いものだった。個人的には、文学、歴史、文化の文献を横断的に取り扱うSNS型電子テキストアーカイブと、ARCの所蔵に新たに加わった「酒呑童子絵巻」をめぐる総合的研究にはとりわけ興味をもった。前者は、テキストへの注目にあらたにスポットライトを当て、後者は貴重なコレクションが増えたことによる総合効果を具体的に示すものである。一方では、アーカイブが大きなキーワードになったことにちょっと意外な気持ちだった。今度の発表の中には、中国の考古成果や近代演劇記録、日本の相撲絵、はてには建築関連の都市地面情報など、じつに広い分野にわたるもので、アーカイブのデザイン、利用環境構築、新たなデータの作成など、研究の基礎になることへの注意と、地味な労力が積み重なることの意味にあらためて気付かされた。
シンポジウムの会場は、びわこくさつキャンパスにあった。ちょうど大学のオープンキャンパスがとり行われ、想像を遥かに超えた人出があった。もうすこしで会場に遅れてしまうところだった。若者たちの熱気を身近に感じ取れて、思わぬ思い出になった。
ARC Days 2016
2016年8月7日日曜日
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