2020年2月15日土曜日

電子ブック読書

ここ数週間、アマゾン日本が提供している「Kindleunlimited」には海外からでも加入できるのに気づき、電子ブックを数冊読了した。なかには新刊で話題になったタイトルを含め、読み放題でクリック一つで手元で披けたことは、やはり気持ち良い。そして、あらためて電子ブックという媒体を眺めた。

キンドルの電子ブックは、とりわけ複数のデバイスで利用できることを謳っている。個人的にはまさにそのような読者の部類に入る。どこでも握っている携帯、圧倒的に利用時間の多いパソコン、サイズやOSがそれぞれ異なるタブレット、そして電子インクのキンドル端末まで並列に手元に置き、その時の気分にあわせて切り替えている。こうなれば、一冊の書籍の続きを開いたりした場合、まず気になるのはページの記憶や移動だ。電子ブックにおいて、そもそもページという概念は曖昧だ。フォントやテキストサイズを調整すればすべてそのまま全体のページの数に響く。キンドルは一通りページ数の表示を保っているが、一部の電子テキストアプリはすでに「ページ」を不要にして、代わりに行の数を利用するようにした。当然な対処だろうが、読書に伴う引用、批評、他人との交流などきわめて基本的な行為は、どうしてもとまどいが多くて、もどかしい。

現在の電子ブックの主流は、紙書籍に付随してそれを「電子化」することを制作の基本としている。そのため、どうしても紙書籍らしく作ることから出発し、紙媒体へのリスペクトの形で現れたさまざまな工夫は、在来の読書習慣を受け継ぐという理由から必然的に要求される。その分、デジタルの媒体になったことの特有の側面はなおざりにされてしまう。読書活動が必要とする基本的な期待に応える機能は、どれも確立されておらず、音声、動画など他のメディアへの越境となれば、その方向性すらいまだ見えてこない。

0 件のコメント: