昨日、短い東京への旅行から戻ってきた。国際交流基金の招待を受けて、箱根、赤坂と三日間の会議に出席し、世界から集まってきた学者たちととても有意義な交流が出来た。
会議のテーマは、「世界日本研究者フォーラム」。十四の国から十六人の研究者が集まり、いま現在の世界における日本研究ということをテーマに、実に自由自在に語りあった。いうまでもなく研究者たちはそれぞれに違う国からだけではなく、研究分野もかなり離れていて、発言の内容もほぼその国における日本研究という、かなり巨視的なものだった。とりわけ研究や教育におけるお国の自慢話、あるいはその国ならではの期待などがさかんに議論され、国が違うと事情がこんなにも違うんだと改めて認識させられ、「世界の日本研究」といわれても、まったく違う世界のことをはじめて聞かされたものだとの思いに打たれたのは、一度や二度に止まらなかった。それに加えて、休憩時間での会話なども、それぞれの教育機関での研究制度、業績形態、評価方法など、研究そのものよりも、研究にまつわり、それをサポートし、それを囲みこむ方面の話題が中心だった。おかげで、たまにしか出てこなかった古典、古文、ひいては画像資料にかかわる話題が出てきても、それが主流になれない、基礎としてもっと強めなければといった、嘆きのトーンに伴うものだった。
招待側の実に真心を込めた、思いやりが伴う行き届いた対応には、ただ感激した。学期のど真ん中に一週間も職場を空けてしまったことは、これまでほとんど経験がなく、会議の合間にも、採点、作文添削、申請書の仕上げなどの作業をこなしたが、授業や他のもろもろの仕事などは、職場の同僚たちの協力に頼らざるをえなかった。終わってみれば、それだけの価値があるものなんだと、充実した思いが持てた。ちなみに、研究や授業に使うユニークな道具も数点購入できて、さっそく実際に試してみたい。
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