2013年1月19日土曜日

学生の作文

今学期の担当授業の一つには、作文指導がある。すでに数回用いた方法を再開して、一つのテーマを決めてもらい、週一回の作文を課して、その結果を特設のブログで即公開するという方法を取った。いわば作文のマラソンであり、しかも結果を公にすることをもってそれぞれのやる気や緊張感を引き出すものだ。前回の同じクラスに較べて学生人数は倍以上になって、今度は自分の気力がどこまで続くかが、課題の一つに上がった。

学生たちの作文は、言葉通りに多彩なものだ。すでに秋コースで教えていた顔ぶれもかなり入ってはいるが、やはりこちらからの講義と違って、思い思いに書かせてしまうと、それぞれの性格が実に生き生きと浮かんでくるものである。しかもいまの大学生は、まさにいわゆるソーシャルの環境で育った世代で、不特定多数に向かって個人の経験や思い出を語ることにすこしも躊躇を覚えていないように見受けられる。その陽気な振る舞いは、読む人を奮い立たす不思議な魅力を持っている。そして、そもそも日本語による作文だからだろうか、内容には日本との接点が多い。言葉の勉強以外、実際の経験はかなり限られ、しかもあったとしても大分昔のものになったものも多いはずなのに、文章からはそのようなニュアンスがほとんど感じられない。ここにも、思いの入れようや記憶の仕方が垣間見られて、興味深い。

あくまでも言語表現に限ってのことだが、文章には逐一手入れを施してある。クラスの中や個別のやりとりを通じて出来るかぎりの確認や説明などをしているが、それにしても教育の方法としてはたして最善なのかどうか、十分な自信があるわけではない。これだけは、学習者の感覚、そして何よりも時間を経ってからの結果から判断しなければならない。丁寧に観察をしたいものだ。

日本語作文ボード

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