今週、インターネットで語られる話題の一つには、YouTubeで公開されている映画の構図についての解説ものがあった。一つの作品として、分類されて「ビデオ・エッセイ」と言われる。アップロードされてわずか二週間ぐらいしか経っていないが、すでに13万回以上閲覧され、300近いコメントが残されている。
作品は、15分と、いわゆるオリジナルYouTubeものの中ではかなり長いものの部類に属し、そのため、まずは真剣にとりかかることを要求する。その内容といえば、かなりの数の映画から、代表的な場面を数秒程度切り出して繋げ、せりふなどを省いて統一した背景音楽を配し、その上、作者自身による、はっきりはしているが、さほど工夫されたとも思わない解説の音声を加えたものである。一つひとつ選ばれた映画の場面は、とにかく美しい。贅を尽くした色の饗宴から、古き好き映画への記憶にいたるまで、見ていてとにかく飽きない。肝心の構図について解説は、フレームの使い方や、見る人の視線の誘導とコントロールなど、テーマも内容もさほど独特なものがあるわけではない。むしろこれまでは学術書や大衆向けの解説書において繰り返し語られたもので、ところどころもどかしさを感じさせられるぐらいだった。しかしながら、映画の解説なら、ビデオはやはり似合う。そしてオンラインでの手軽でいて確実な閲覧方法も、大きく寄与したものだ。
作品のタイトルは、そのまま日本語に直せば、「物語を伝えるための構図」である。映画という言葉は、特別に出ているわけではない。いうまでもなく、構図の原理から理解しようと思えば、なにも映画に限るものではなく、テレビドラマも、漫画・コミックも、西洋の古典絵画も、どれについてもこの魅力的なタイトルで見直すべきだろう。そして、絵巻も、その例に漏れない。
Composition In Storytelling
2016年2月6日土曜日
ビデオ・エッセイ
Labels: マルチメディア
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