2016年2月13日土曜日

グーグル・サービス

グーグルとは検索を意味するとの認識は、いまやかなり浸透されている。一方では、検索を利用しようと集まったユーザーは、あわせて用意されたさまざまな便利なツールに気づき、それらを試すようになる。このような書いているわたしも、知らず知らずに惹かれて、いつの間にかかなり熱心なユーザーとなってしまった。そして結果的にグーグルが選択的に、ときには意図的に下した決断に振り回され、付き合わされる結果になる。

ここ数日の体験の一つを記しておこう。前学期の学生レポートから数編選んで纏まりのある一冊にするという、去年のいまごろに編み出したやり方を繰り返そうと、学生たちとのやりとりを続けた。それが一段落して、いざ同じく「Google Play」にアクセスしたら、書籍の形にすることへの対応はなんと数週間まえに閉鎖されるようになったことを知った。その理由には、さまざまな推測がされてはいるは、公式的な知らせは一切ない。そして、その目で見れば、ここ数日に入ったニュースには、あの「Picasa」の終了予告だ。こちらのほうは、電子出版とは比べ物にならないぐらい桁違いの影響が出てくるだろう。さらにグーグル地図では、地元の情報を提供させようと、あれこれと奨励措置まで用意されているが、個人の提供による写真の地図での表示は、いつの間には取り除かれた。かつてここでも記した「ストリート個人ビュー」も、リンクがあっさり切れてしまった。いずれも会社の都合による決定であり、それなりの周知さえ行われることなく、あくまでも利用しようとして初めて気づくといったようなものだ。もちろん、新しく加えられたものもある。今日気づいた「n-gram」というユニークな検索と表示は、じつに秀逸で、実用的でいて遊び心もある。そしてこちらもほうも、同じくどうやら正式に知らせた上での登場ではなく、関心があるユーザーなら自分で見つけ出して利用するという形態なのだ。

結局のところ、ここに「サービス」という名の提供者と利用者との間のユニークな関係性が出来上がっている。サービス、しかも無料となれば、提供者の取捨選択と、軽薄な責任感に直結することだろう。あえて言えば、利用者を利用するという暗黙の前提と、失敗や閉鎖を恐れない実験性なのだろう。これ自体は、いまの時代を映し出すユニークな「文化」だと認識しておくべきだろう。

Google books Ngram Viewer

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