2016年7月23日土曜日

デジタル・古典研究

明日から荷造りを始め、来週の前半には日本への短い渡航が予定されている。今度の目的は、国文学研究資料館主催の「大規模学術フロンティア促進事業」第二回国際集会への参加であり、一時間の報告枠をいただき、「デジタル時代と古典研究」をテーマとする発表をさせてもらうことになっている。

いまさらながら、大きなタイトルを付けてしまったものだと、勇気あると言うか、無謀としか言いようがないと感じる。そして、なによりも、このデジタル時代というものは、まるで生き物のように、どんどん変容し、進化する。一例として、今度は「くずし字」をめぐる諸研究を持ち出して議論を試みようと考えた。そもそもここ一、二年の間にこれへの関心がどんどん加熱し、鮮やかなアプローチが競うように現れた分野だから、これに注目したのだ。ただ、それにしてもたとえばあの「変体仮名の画像認識システム(α版)」の登場、そして「国文研データセット簡易Web閲覧」の迅速な対応など、次から次へとの展開には、目を瞠るようなものがあった。発表資料を一通り準備出来たあとになって、急いで対応し、しかも配布資料のレイアウトという単純な理由から、すでに用意した内容を割愛せざるをえない結果まで生まれた。

今度の集会は、聴講自由だけではなく、インターネットでのライブ放送まで予定されている。研究発表のオンライン放送は、これまでに何回か経験し、自分で主催する行事でも試みたことがある。ただ、いずれの場合もさほどの参加者は得られていなかった。今度はいかがだろうか。関心のある方々、ぜひ時間を見つけて覗いてください。

日本古典籍への挑戦―知の創造に向けて―

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