いまや大学図書館では所蔵資料のデジタル化や全点公開が驚くスピードで進められている。今週になって個人的にあらたに気づいたのは、筑波大学図書館での公開である。所蔵の貴重書など約一万点のものを、すべて図書館検索システムに統合して、検索画面から資料をそのままブラウザの上で閲覧できるようになっていて、きれいな高精細の画像と軽快な閲覧環境が提供されていて、なかなか読み応えがある。
検索のシステムは、耳新しいもので、なによりもその名称は「Tulips Search」とあって、日本語にさえなっていない。システム開発や応用、そしてなによりも他の大学や研究機関への広がりなど、関心あることは数多くある。それはさておくとして、まずは短く検索を触っての、ささやかな苦労とやりくりをここに記しておきたい。目的は、オンライン公開をしている資料群の全容を眺めてみたい、というものだ。そこで、そのトータルのリストを出してもらおうとしたら、なかなか簡単には実現できなかった。繰り返しの試行錯誤のすえ、ようやくつぎの二つの方法にたどり着いた。「Tulips Search」の隣に位置する「OPAC検索」の画面から、「資料タイプ」として「貴重」を選ぶ(6611件ヒット)、あるいは、公開資料の図書館記録に記された「OPAC上で画像が見られます」という記述を、そっくりそのまま「Tulips Search」の検索欄に貼り付ける(9806件ヒット)。ここからさらに絞って検索を試したら、それまた不可解な結果が残る。一例として「草紙」と追加の条件を入れれば、「さうし」、「艸帋」、「雙紙」がヒットするが、「草子」は含まれていない。
「Tulips Search」の導入は、カレントアウェアネス・ポータルによれば、すでに二年半もまえのことである。ただ現在の古典籍公開の規模に達したのはいつごろだったのか、すぐには分からない。思ったほど大きな告知や、話題を攫ったほどの注目がなかったのではないかと勝手に想像してしまう。もともともしそうだったとすれば、デジタル資料がいつの間にかわれわれの日常に変わったという事実を物語るものとして、素直に嬉しい。
Tulips Search
2016年9月24日土曜日
図書館カタログ検索
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