しばらく前に制作した「動画・変体仮名百語」ウェブページは、ほぼそのままの形をもってアップルのアプリになった。「Classical Kana」という名を与え、二日まえからiTunesにて公開した。いわばiTunesデビューは、個人的にはまったく新しい経験であり、この試みははたしてどのように受け止められ、どのような展開が待ち受けているのか、ただワクワクしながら見守っている。
連綿した変体仮名の短文に対して動きを通じて書写の順序を提示するというのは、この作品の狙いである。ウェブページをデザインした時点から、スマホなどの縦長の小さなスクリーンでの利用を想定していた。縦に延びる文章のありかたもさることながら、このような知識の吸収は、スマホを手にするような状況によりマッチしていると漠然と感じたからである。しかしながらこうは書いていながらも、スマホで使うアプリとパソコンでアクセスするウェブページとの違いについて、はっきりとした認識を持っているわけではない。ただなんとなくスマホのアプリとなれば、これに関心を持ってくれたり、実際に使ってくれたりする人々の顔がもうすこし見えてくるのではないかと想像はしている。なによりも隙間時間も利用可能なスマホと、しっかりと座って対峙するパソコンとは、どうも利用の状況が違う。しかもさっと取り出して真剣な眼差しでクリックして見つめるスマホは、すくなくとも大学などといった勉強の場においては、かなりの道具になっていることを実感している。はたしてこの観察は正確かどうか、思う通りにこれまでウェブページを見てくれたのともうすこし違う人々の手元に届けられるかどうか、これ自体も一つの興味深い観察対象である。
プログラミングの勉強や実践は、昔はかつてかなりの時間を費やした。ただいまになっては、そのような気力も実力もすっかり失せてしまった。そこへ思わぬサポートに恵まれた。同じ勤務校に所属する教育ツール開発のメンバーが快く制作に携わってくれて、このアプリの誕生に結びついた。そのような献身的な努力に感謝しつつ、「Classical Kana」というアプリが有意義な利用を得られるようにせつに願う。
Classical Kana
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