2018年12月8日土曜日

英語案内

今学期の授業は金曜日をもって最終日となった。今年も日本歴史を担当したが、毎回の最初の数分間、身の回りの話題を取り出して雑談することにしていた。英語のみという前提なので、キーワードも英語で提供しなければならない。たとえば数日まえに取り上げたのは「なまはげ」、新聞記事などを引っ張り出して英訳を探ってみたが、その中の一つは、なんと「Kid-scaring Namahage 」(子供泣かせなまはげ)だった。

日本のことを英語で伝える、ときどきこの単純な作業は予想以上に難しい。これもしばらく前の出来事である。自分と同年代のとある同僚が思い立って夫婦で日本旅行を敢行してきた。ゆっくりおみやげ話を聞かせてもらい、大都会なら英語看板がいたるところにあって、さほど苦労することもなかろうと話を振ったら、意外な答えが戻ってきた。いわく、たしかに英語が目に飛び込んでくるが、日本の英語は、文法には打ちどころがなくて、分りづらい、とか。不思議に思って実例を問い質したら、このようなものがあった。観光地の案内は、部屋のことをめぐりマットの数が羅列されて奇妙だった。部屋の広さを伝えようとして畳を用いた説明がそのまま英語になったと解説したら、謎が解けたように納得してくれた。同じ同僚は、東ヨーロッパの言語を中心に何カ国語も操り、どこまでも学者肌の、読書にかけては人一倍の自負を持っている人間で、それでも伝わらないとなれば、やはり考えさせられてしまう。

ちなみに、日本初体験のこの同僚だが、日本で食べる西洋風のお菓子は美味しいが、和菓子の色や甘さには共感できないと素直に告げてくれた。ただ、意外とうどんに嵌り、戻ってきたらスーパーで購入して満喫している、とか。

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