2021年4月10日土曜日

研究誌公開

数日前から研究者が熱心に伝え、語りあった話題の一つには、国際浮世絵学会発行の『浮世絵芸術』のデジタル公開があった。学術研究誌のオンライン公開や閲覧が着実に増えているなか、この研究誌が最新号まで対象に含めたことは、なによりもインパクトが大きかった。そのため、いささか驚きをもって接され、大いにありがたく受け止められた。

研究誌の執筆者の立場から言えば、研究成果を一日でも早く、すこしでも広く知られたい、しかも研究も職務の一つであり、多くはさらに研究助成まで支えられているので、このような公開はいうまでもなく諸手をあげての歓迎だ。対して、出版側から言えば、コストを消化し、しかも長く続けられること前提なので、このような展開が新たな試練になるには違いない。どこまでギリギリの採算ができるのか、公開への期待に応えるためにどのような新機軸を打ち出せるのか、そもそもデジタル公開とその維持のための新たな投資をどこに求めるのか、課題がきっと山積みだと想像する。それにあわせて、積極的な公開をもって、より多くの読者が生れ、研究誌の価値がより広く認められることを祈りたい。

これを思いめぐらしたながら、つい一年ほどまえに刊行したした二編の作のことを確かめてみた。ともにここでも報告した出版である(「新しい人文知」、「関係~ない」)。刊行誌は書店販売もしているが、上記掲載の51号と52号が一か月まえに公開したばかりではなく、なんと3月15日付けで刊行した最新刊の54号は、すでに3月30日に全文オンラン公開をしている。まったく同じ流れがここにも見て取れたことに少なからずに驚き、嬉しく思った。

デジタル古典研究に挑む」(『中国21、Vol.51』)
言語学習から「関係」を覗く」(『中国21、Vol.52』)

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