前回に続き、最近作成した「音読・義経地獄破り」について書いてみる。
サイトのオープンページには、「特別バージョン:音声と画像の連動」というのを設けた。実はこのささやかな音読シリーズにおいて、最初からこの画像との連動、いわば「動画絵巻」を試してきた。パソコンのマルチメディアという環境を古典に持ち込むための楽しい可能性を探りつつ、音声と画像との連結のみならず、時間軸をここに取り入れ、音声の進行により画像を動かし、変化させるということで動画を実現し、それによって、目と耳と両方を働かせる古典の享受ができるのではないかと、ずっと思い描いていたものだった。
一方では、これまであくまでも「特別バージョン」として、絵巻のほんのわずかな部分だけを対象にしてきた。画像の所有にかかわる著作権のこともさることながら、技術的にはあれこれと試行錯誤をしているのもたしかだ。わたしの考えるところ、理想的な「動画絵巻」には、少なくともつぎの三つの技術的な条件を満たさなければならない。一つ、ある程度以上の画質。「ある程度」とは簡単に定義できないが、とりあえず「YouTube」の動画より精密で、文字がはっきりと読み取れる、ということを基準にしたい。二つ、基本的なパソコンの環境に対応すること。動画を再生するには、あれこれのコーデックやらプレーヤーやらが必要だとされるものが多いが、一つの動画を再生するためにわざわざパソコンの設定をいじることはなんとしても避けたい。三つ、オンラインにて素早くアクセスできて、しかも個人のパソコンに保存できること。せっかくの動画再生を途中にファイル転送で待たされたとの苛立ちだけは、強制したくない。画質とスピードとはつねに矛盾するものだが、幸いインターネット環境の進歩によりこれの解消も現実になりつつある。
これまでの四つの音読サイトでは、Windowsのプレーヤー(wmv)、Flash(swf)、それに自分が作成したオリジナルプログラムといった、違う方法を意図的に試してきた。その中で、あるいはこの新しいサイトのほうが上記の条件に一番近いかもしれない。
つぎは今度の二つの「動画絵巻」のリンクだ。どうぞ試しにクリックしてファイルをパソコンに保存し、あとはMSメディアプレーヤーでゆっくりご覧ください。
義経地獄破り・第七節(文字)
義経地獄破り・第七節(絵)
(これを書いている最中に、熱心な読者からメールをいただき、「義経」音読サイトのリンクの間違いを一つ指摘された。この場をかりて感謝を言いたい。)
2008年3月12日水曜日
動画絵巻
Labels: マルチメディア
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