二年ぶりに中国にやってきた。今度は前回より長めに時間を取り、あわせて十日ぐらいの滞在となる。
北京の国際空港は、オリンピックの開催に合わせて新たなビルが出来上がり、使 われるようになった。うわさではあれこれと聞いてはいるが、実際にその中に入ってみれば、新しい空港の兆候をあれこれと探してみても、意外に目に止まるものは多くなかった。飛行機が降りたところから荷物や税関などの建物に辿るまでには、今度はモノレールの電車に乗らなければならないという、実用としてはむしろ不便を感じたぐらいで、建物そのものも、大きくて新しいということ以外は、印象に残るものが少ない。しかしながら、その中では、特筆すべきなのは、やはり絵巻ならぬ画巻だった。どうやらいまや中国文明の視覚的な代表となれば、画巻がもう迷いもなく第一位のものとなった。ただし絵巻といっても、それを巨大なモニュメントのように作り変えたのだった。しかも取り上げるものは宋の作品一点のみ対象にすぎない。古典を大事にするというよりも、古典に新たな生命力を吹き込んで、今日の環境のために貢献してもらう、という発想のほうがより鮮明に動いたものだった。
今度は、北京もひさしぶりに歩いてみるつもりでいる。はたしてどのような時代の風景が目に入ってくるものか、ワクワクしている。(6月5日記)
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