2012年10月20日土曜日

カナダの紅葉

暦の上で秋はだいぶ深まった。去年のいまごろを思い出せば、紅葉狩りがまだ早い、いやもう十121020分だと議論を繰り返し、はてには一人で山に入った経験までしていた。しかしながら、住んでいる都市には、例年では秋がない。その中で、今年に入って初めてすっかり秋らしい気候に恵まれて、いささか感動を覚えた。ただカナダのシンボルである楓の木は見つからず、先週出かけてきたオタワから狩りてきた紅葉を写真に納めた。

それにしても、仕事が集中するいまごろだ。日常の講義や授業に加えて、新規の研究プロジェクトの予算申請、新しい事業の計画、ゲスト授業や研究発表の準備、来年度の語学研修参加者の募集、今年度卒業を迎える学生のための推薦状、などなど、簡単に考えてみても、これだけのリストになってしまう。そしてリクリエーションもいよいよ冬バージョンに突入しなければならないが、好天に恵まれた分、室内への移行は、なかなか時期を見定められない。

秋は収穫の季節だとよく言われる。もうとっくに農業の社会ではなくなったものだから、あくまでも比喩的なものだ。とは言いながらも、二日ほどまえ、冬に提出した研究論文が活字になって発表され、雑誌や抜き刷りが研究室に届けられた。すなおに嬉しい。同じ分野で切磋琢磨する研究者と日常的に会話を取り交わす機会がなく、いささか踏み込んだ発言をしたとの実感は掴めきれないでいる。だが、自分にとっては絵巻読みの一つの区切りを纏めたもので、大事にしたいものである。

「絵巻の文法序説」

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