2013年3月23日土曜日

動画YouTube

今週、ニュースメディアが取り上げた出来事の一つには、あのYouTubeのユーザーが一億人を突破したということがあった。NHKのニュース番組でさえ、もしこの数を国の人口に喩えたら世界三番目の国になるとか、いささか意味不明のアピールをしている。一方では、このことをなぜか自分の限られた日常においても非常に具体的な形で体感している。今学期の授業では、教室に備え付けてあるパソコンがだいぶ使いやすくなったこともあって、担当している二つのクラスには毎日日本からのその日のニュースを主にYouTubeから2、3分間分だけ用意して、説明しながら見せている。三年生のクラスの場合、この作業はクラス開始前の5分のみに限定し、ほとんどの学生が毎回早々に集まってきているという嬉しい現象まで定着した。

一方では、いまどきの若者は、動画という媒体をどんどん手軽に使い込んでいる。いつものことながら、クラスにはきっと一人や二人、写真好きの典型的な「撮影オタク」が入っている。これまでならただその練達な作品どこかのサイトにあげていたのだが、いまはそのような若者でも写真を自慢する方法として、写真を動画に編集したのである。音楽に乗せてビデオを作り、それを汎用アルバムという感覚でYouTubeなどのサイトに平気にあげる。これに対して、こういうポップな感覚はなかなか自分のものにはできない。ものを見てゆくリズムを他人の手に任せてしまうことは、どうしても肌にあわず、個人的に不得手だとでも言えようか。

ただ、このように自己分析、自分説得をしていながらも、動画との距離が確実に縮まっている。おなじく今週でのささやかな身辺のできごとの中には、YouTubeと関連するものが二件もあった。一つは個人ユーザーによる情報交換サイトまで苦労して調べて、ようやく自分のYouTubeアカウントをApple TVに取り入れた。もう一つは大学の行事である。日本語弁論大会入賞者のビデオをこれまでのように大学のサーバーに乗せられなくて、対処方を関係者に問い合わせるのも億劫だから、ただYouTubeにあげて、そのリンクを大学のサイトに貼り付けた。さほど意識しなくても、動画のある日常生活がたしかに広がっている。

Prize Winners' List

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