年一度のハロウィンがやってきた。今年は週末と重なることもあって、子供や若者たちはなにかと元気が良い。テレビやラジオから伝わってくる日本の様子では、ハロウィンが日増しに注目を集めるようになったらしい。しかし、なにともあれ、いわば文化や新しいはやりという側面が強い日本と違って、ここではあくまでも日常生活の大事な節目なのだ。
年齢層によって、ハロウィンの過ごし方は違う。大学生たちは、昼からすでに堂々とこの日をアピールしている。仮装というよりもゆるキャラよろしくと変装して朝からキャンパスをウロウロし、教室の中に平気に入ってそのままの格好で受講をしていた。対して中学生以下の子供たちは、夜まで待ちわびて、やっと仮装を身につけて街に繰り出す。七時あとをピークに、歳もスタイルもまちまちな子供たちは後からあとからドアの前にやってくる。かれらを迎える者として、どうしても視線は仮装した顔よりも手にした容器に惹かれる。袋はそれぞれ個性があって、大きなプラスティックのもあれば、特製の専用道具もある。その中の猛者となれば、バックバッグを重そうに背負っている。小さいこどもは、ベルに手が届かずにドアをいっぱい叩く。手にした袋は非常に小さくて、底が空っぽになっているが、中身を随時に待機している親の手元に移していることが分かる。その親といえば、あるいは車で随行し、あるいはカメラを構えてひたすら撮りつづけた。子供たちの構成は、二、三人の仲良しが基本だが、中には一人で申し訳なさそうにやってくるのいれば、十人を超えるグループで風のように移動するのもいる。そうなれば話に夢中にし、反応の良くなさそうな家を平気に飛ばしていた。一方では、このような夜を迎えてきちんと用意をしなければならない。今年は、ドアの前の飾り物まで気が回らなかったが、キャンディをしっかりと360個用意し、それを二時間近い間にさほど残らないまできれいに配った。
昔のハロウィンは、必ず大雪の中だった。今年は天気が異常なほど暖かく、気持ちの良い夜だった。だが、翌日からは雪が降り始め、いまはすでに十センチ以上積もった。自然のリズムはそう変わらないものだと改めて知った。
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