大学での講義が終わって二週間経った。週末までにはようやく採点を終え、「D2L」という名の学内情報システムに学生の成績を記して提出し、今学期の授業関連の仕事はこれで完了ということになった。新学期は新年最初の週から始まり、それまでに短い冬休みに入る。
まわりはまさにクリスマス。さまざまな心暖かい行事は繰り広げられ、たとえばこのような一つがあった。クリスマスと言えば、友達も家族同士もプレゼントを交換する。そこで今年から就職した若者と雑談して、会社で用いられた一つの方法を教わった。20人そこそこの小さなグループの中で、全員平等にプレゼントを持ち寄って、交換するという定番である。普通に考えられるのは、一斉に出してランダムに選ぶ、あるいはもうすこし凝ったやり方で、もらってもらう相手を事前に抽選して決めておいて、その人のために最適のものを選んであげる、といったようなものがある。だがそこの会社はもうちょっとひとひねりを加えた。それはこのような内容である。まずはみんなで予算を決めておく。石油会社だが、今年の場合は20ドル。そこで人数分のプレゼントがラッピングされて集まったら、今度は「取り合い合戦」となる。最初の一人は一個取り出して、みんなの前でラッピングを開ける。中身が分かった状態でつぎの人は新しく一個取り出して開けるか、あるいは前の人のものを取り上げるかという選択ができる。手に入れたプレゼントを取り上げられたら、再び再スタートできる。これの繰り返しだ。すなわち最終の状態ではすべてのプレゼントの内容が分かり、かつ同僚全員はそれを少なくとも一回は選び、かつ選ばれるほど選ぶ機会が増える、という内容の「合戦」なのである。ちなみにどのような方法にせよ、プレゼント交換会のことを「シークレットサンダ」と呼び、予知しなかったサンダからのお土産をいただくという、ありがたいネーミングなのだ。
他愛もない日常であるが、その中で手の込んだルールを作り、これをみんなで夢中に愉しむ、はなはだ西洋的な光景の一つなのだ。
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