一ヶ月ほどまえ、ここで触れていた小さなプロジェクトは、ようやく完成した。去年の秋に教えた二つのクラスから集まった学生たちのレポートから、日本をめぐるフィクション、漫画やビデオ動画をふくむ九点の作品を一冊の電子書籍にした。学生たちが書いたストーリを広めるとともに、これからの同じ作業のスタンダードを簡単に示すこともその狙いの一つである。
電子書籍として最終的にここまで辿り着いたのは、いささか紆余曲折があった。作品が決まったあと、まずはEPUBファイルにして作者の学生たちに見せた。その上、まず考えたのは、アマゾンだった。しかしながら、ファイルのアップロードやその結果確認まで済ませたあと、無料の公開というオプションが公式に用意されていないことにはじめて気づいた。無料で読めるものはかなりあるというのは、あくまでもその販売方法の一つにすぎず、すべて有料という前提からでないとそもそも採用されない。ちょっぴり納得できなくて、あれこれ調べてみたら、どのようにして無料で公開できるかという裏ワザを紹介する記事まで見て、一人で苦笑いした。
つぎに選んだのは、グーグルプレー。こちらのほうはしかしながら、EPUBは不発だった。アップロードしたものは数日経っても音沙汰なしで、細かくログ情報を読んでやっとファイルに故障ありとの結果が分かった。推薦される確認ソフトを用いてEPUBのファイルを試してみると、書式への細かなダメ出しばかりで、どうやらかなり限定された基準に基いている。同時にPDFも対応とのことなので、その通りにしたら、あっけないぐらい許可された。しかも公開するとの連絡さえ入らないまま、名乗った一冊はすでにグーグルプレーに登場したのだ。しかも嬉しいおまけがついている。グーグルブックスに連動しているため、書籍の一部分だけ公開するというあの馴染みのスタイルにてダウンロードなしで読むことができるようになっている。
しかしながら、PDFで投稿したものは、あくまでもPDFの形でしか読まれることができない。電子書籍はやはりテキストベースでなければ意味が半減してしまう。これも今度知らされる結果の一つになった。現時点では解決策が見つからず、とりあえず個人のスペースからアクセスを提供することにしておいた。環境の移り変わりを見守りたい。
Old Japan Redux (in Google Play, Google Books, EPUB)
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