今週の間、飛び込んできたニュースの一つには、「日本遺産」があった。テレビ画面を見つめて、正直、ちょっぴり分からなかった。名前からして、世界遺産のローカル版、という印象を受けるが、説明を聞いたら、どうやらそれが正解に近く、設立の主旨としてはそれをかなり意図したもののようだ。ただ「文化遺産」を冠した、同じ政府機関が主宰するあのデータベースが身近にあるのだから、在来の文化財との関連でどのように位置づけされているか、すんなりと答えにたどり着くことはできないままだ。
最初に指定を受けたは、数えて18点。「祈りと暮らし」を内容とする琵琶湖、「おもてなし」と持ち上げられた岐阜、「西の都、東アジアとの交流拠点」と認定された太宰府、どれを見ても、納得するには一ひねりを感じずにはいられないものばかりだった。公式発表の場では、とりわけ「かかあ天下」が話題になった。「絹物語」という副題が付いて、なかなか文学的で洒落たものだが、それがあまりにもキャッチなフレーズだからこそ、はたしてなにを伝えたいのか、忖度したくなった。「かかあ天下」とは、あくまでも右のはがきで伝えている内容だろう。それが絹と関係を持たせたとたんに、意味合いが変わったとは、なかなか思わない。しかも、これを伝えるNHKのテレビニュースは、親切にも「働く女性」の意味だと字幕つきで解説した。この流れだと、「亭主関白」も、これまた「働く男性」という意味になるのだろうか。
大きな名前をもつ「日本遺産」は、オリンピックまで100点、ただ認定を受けた先に対しては、「ガイドの育成や外国語のパンフレットの作成などにかかる費用を補助」という措置を取ると報じられている。なぜかどこまでも本気度を感じられないというのは、個人的な理解に問題があるからだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿