右の二文字は、「清水寺縁起絵巻」(巻上第一段)の詞書から切り取ったものである。これだけ見せられても、すぐにはなにを意味するのか見当もつかないだろうが、上下の文章にあわせて読めばいたって分かりやすい。いわゆる変体かなで、それぞれ志と流を字母とした「しる」という二文字であり、「知る」である。
ここまで読んだら、文字画像に動きが加えられていることにお気づきだろう。二つの文字を知る、知ってもらうために、すこしだけ工夫した。今日の仮名は、その大半において、平安や中世の文献においてすでにかなり形の近いものが認められる。一方では、今日と同じ形の仮名は、同じ音を記録する複数の字形の一つに過ぎず、広く使われていながらも、結局今日まで受け継がれていない字形のほうは圧倒的に多かった。志流という二文字も、そのような忘れられたものである。そのため、文字がどのどのような形をし、ように書かれ、なにがそれの核とした内容だったかということは、古典勉強においての入門の知識である。それを説明し、同時に文字の美しさを伝えるためには、デジタル表現による動きが一つの有力な手段に違いない。
動画は、いわゆるGIFである。いまやかなり頻繁に見かけられ、作成や編集にも、スマホのカメラアプリ、ウェブベースの作成ツール、ビデオからの変換など、さまざまなアプローチが用意されている。その中の一つを見つけて、パソコンに入っている標準装備の描画ソフトに合わせてGIF制作を試みた。筆の動きや流れまで表現しようと心がけたが、はたしてその出来栄えは如何だろうか。
志流(原典)
2016年6月18日土曜日
「志流」を知る
Labels: マルチメディア
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