週末にかけて京都に出かけ、国際日本文化研究センターにやってきた。創立三十周年を記念する国際シンポジウムに招かれた。客員研究員として前後二回在籍し、過去二十数年来、数えきれないほどここを訪ね、研究活動をし、さまざまな形でお世話になった。その日文研は、月曜日をもって設立三十一年目に入る。
記念行事は、三日にわたる。登壇する発表者は、数こそそう多くはないが、いずれも世界各地からこのわずかな時間のためにわざわざ集まり、歴史、文学、文化と、それぞれの専門分野においての成果や経験談などを持ち込み、熱心に語り合った。居心地のよい広々とした会議ホールには、補助の椅子が出されるほどいっぱいに埋まった。休憩の時間になると、だれもが寸分を惜しむように互いに挨拶を交わし、近況を交流した。大学院時代に同じ研究室で席を並べた四人が揃えて写真を撮れば、だれかが、この四人で六つの国籍を持っている(いた)のだと、しみじみとコメントした。まさに国際という名にふさわしい場であり、不思議で掛けがえのない縁で結ばれたことを大切にしなければならないと思った。
30年。思えば、研究所が設立されたころ、自分はまさに博士学位論文と悪戦苦闘をしていた。どのようなルートから伝え聞いたのだろうか、日文研という機関があり、そこが外国人研究者による「フォーラム」を主催したのだと、自転車を漕いで出かけては熱心に聴講した。世界の日本研究者の名人達人たちの話からどれだけの栄養を得、啓蒙と啓発を受けたものだったのだろうか。あのころの記憶は、妙に生き生きと脳裏に浮かんでくる。思い返して、ただただありがたい。
世界の中の日本研究
2018年5月20日日曜日
創立記念シンポ
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