ホスト校の手配により、木曜日は歌舞伎鑑賞に出た。同じ経験は去年のちょうどいまごろを含め、数えたら六回目になる。それでもけっして飽きることはなく、しかも今度ははじめて花道真横の席を譲られ、一流のパフォーマンスをすっかり満喫した。
前半の歌舞伎解説の部では、今年は男女二人の学生代表を指名して舞台にあげ、所作の真似をしてもらうという内容だった。初々しくて積極的に取り組む二人の若い学生はなんとも頼もしい。後半の演目は、「連獅子」。白と紅のたてがみを振りながら舞い踊るという定番のハイライトもさることながら、覚えたばかりの「裃後見」、「差し金」などの語彙をさっそく舞台上で確かめ、獅子を表現するには、面を頭ではなくて右手にかけて演じきったことに新たな発見を覚えた。歌舞伎の舞台で繰り広げられた間狂言をはじめて鑑賞できた。きっと流派の違いからきたものだろうが、セリフの言い回しにどことなくおぼつかないような感じをしたのだが、しかしいったん踊りに入ると、普段の能狂言ではけっして見られない安定感や華やかさが全開され、さすがだと唸った。踊りに「六方」がふんだんに披露され、かつてクラスで熱心に語っただけに、幕が降りたらおもわず傍にいる学生に確認して念を押した。
「連獅子」はシネマ歌舞伎の一つに収められている。映画は十年まえに公開され、三年ほどまえ地元にまでやってきた。実際に舞台で見たそれは、巨大スクリーンでも比べられない真の迫力があった。一方では、あのシネマ歌舞伎は、いままさにこの時期に京都で上映され、しかも有料だとのことである。ほんものの鑑賞はいっそう有難みが増した。
平成30年歌舞伎鑑賞教室
2018年6月9日土曜日
連獅子
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