2010年7月17日土曜日

天災だ

今年はなぜか気候不順が世界的な話題になった様相だ。関連のニュースをあれこれと聞いているうちに、たいへんな一時が住んでいるこの町にまで及んだ。思わぬ損害に見舞われ、今週一週間は日常生活をかなり空回りをさせられ、来週も引き続き対応せざるをえない。

100717一言で言えば、まさに天災。人間の世ではいまも昔もさして変わりがない。ならば、このようなことを、古典の世界ではどのように受け止めていたのだろうか。絵に描かれたものですぐに思いに浮かんだのは、黒雲の中を走る赤鬼。周囲を囲む太鼓や手足を乱した走りは、まさに雷と稲妻をイメージに置き換えたものなのだ。これと対照になるのは、火災や地震の最中から品々の懸命な救出である。しかもそのたいていの結果は、焼き残ったものの中の一点の経典などを驚異をもって見つめ、そのような経験をあらたな伝説として語り継ぐ。

普段の生活からすれば、この上ない苦い体験のはずだが、それをまさに一大事だと、天罰の顕現、あるいは霊験の実現に変えてしまう。この二つの極端からは、なぜか古典が伝えようとする大いなるヒントが隠されたように思えてならない。

CBCNEWS

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