2012年12月22日土曜日

遊ぶカメラ

いつの間にか、掌に収まる携帯ツールにはカメラがスタンダードなものとして装着され、新製品が出る度にその機能が向上してきた。カメラを常にポケットに入れて動き回ることが現実的ではないだけに、そのようなおもちゃ感覚のカメラをいじることは知らないうちに多くなってきた。

友達とこれを話題にしたら、さっそく「レンズのサイズで分かっていることだ。あんなもの、いい写真が撮れるはずがない」と指摘される。たしかにその通りかもしれない。理屈はよく分かる。しかしながら、大きく伸ばしたり、すみずみまで精細なものでパソコンのスクリーンセーバーに飾り付けたりするなら別として、周りの様子を記録するにはすでに十分な画質をもっているものだ。一方では、機械の計算処理能力の飛躍的な向上にあわせて、電子ならではの処理の技は、やがてレンズの限界を補うに足りるようなものが現われた。電子画像の楽しみの一つは、パソコンを使ってあれこれと編集し、「フィルター」やらを試して変化を与えることにある。そこで、そのような電子的な加工は、出来上がった画像に対するのではなく、撮影する時点で参加させた。その結果、カメラは情況を記録する媒体であることに止まらず、撮影そのものが娯楽の一つとなり、まさに遊ぶカメラと呼ぶにふさわしい。

121222手元の実例を一つ付記しておこう。使っているのは、iOSアプリ「PhotoVideo」の無料バージョンである。もともと立体的な風景や顔写真などを想定して作ったアプリだろうが、iPod Touchにインストールして、わざとレンズを絵巻の画面に向けた。特徴を成す線を上手に算出し、濃淡を付けて産出していることに、さすがに感心した。

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