2014年3月1日土曜日

3Dポンペイ

20140301その名をずばり「ポンペイ」とした映画が上映された。学生時代、異様に蒸し暑い日差しのなか、ひっそりした史跡を訪ねた記憶がはいまでも残っていることもあって、一種の親近感を覚えた。しかも、あの「47 Ronin」だって数週間前のことだった。同じく3Dの、現実世界から離れたファンタジーものならば、どのように仕立てられるのかと、興味をもって映画館に入った。

普通の観衆にとって、ヨーロッパものは、さすがに日本のそれより距離が短い。ストーリの作りも、典型的な「災難もの」で、すぐ気づくことに、あの「タイタニック」へのオマージュだ。悲劇という結果が前提なので、それにあえて死を求めるという極端なテーマを付け加えた。それを可能にするために、剣闘士(グラディエーター)を主人公に据えた。死という終極な結末に向かい、ヒーローの、自由を得ての死と、悪人の自由を奪われた死という対置を設けて、一つの不可能なロマンを演出した。災難ものとしての見ものは、ここの場合、地震、火山噴火、そして裂け落ちる大地なのだ。中では、津波の様子はとりわけ迫力があった。古代ローマ風の神殿との組み合わせは、史実考証云々はともかくとして、視覚的にははなはだインパクトがあって、忘れがたい。

ちなみに、映画の公式サイトはとてもユニーク。映画宣伝の方法はいつの間にかすっかり変わったのか、それともこの一作だけが思いっきり新しいことを試したのかは定かではないが、とにかく予想とは違う。まずはさまざまな作りの写真が並べられて、まるで今どきのデジタル写真の見本市の感を呈する。映画制作者とは違う、見る側の視線を活かした観客参加型のアプローチの実験なのだろうか。

「Pompeii」公式サイト

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